内容説明
漢民族の最後の帝国であった明の3代目・永楽帝と習近平には、意外なほど共通点がある。権門出身という血統のよさ、権力掌握前の苦節、正統性を証明するため、政権創設者に範を取りつつ、前任者を超える政治実績を示すことを迫られた立ち位置、「法治」を掲げた苛烈な政敵排除や国内統制、政権の威光を高めるための対外拡張とアジア秩序構築への意欲――。歴史を踏まえると見えてくる、現代中国の核心に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makio37
7
産経新聞論説委員らしい内容ではある。しかし、永楽帝について知ることができ、比較を通して習近平の理解も深められたのは収穫だった。明朝の太祖洪武帝の第四子である永楽帝に対し、習近平は毛沢東世代の党幹部の長男。甥である建文帝からの粛清の危機に遭った前者に対し、後者は父の失脚により若年時代に下放された。内には苛烈な政敵排除、外には華夷秩序に基づく「天下」の構築をめざす点でも共通している。そして最も通じる部分は、突出した功績を欲し続けるある種の「焦慮」だという。粛清についての記述は強烈だった。2017/10/08
路地裏のオヤジ
2
確かに産経新聞論説委員らしい切り口であった。2018/01/21
見もの・読みもの日記
2
タイトルに惹かれて読んだが、新鮮味に欠け、あまり面白くなかった。これなら高島俊男さんの、毛沢東=太祖洪武帝、鄧小平=永楽帝という見立てのほうが面白い。2017/09/08
東側ギャン
1
正統性という突きつけられた過去の皇帝と現代の皇帝との比較。明王朝知らなくても全然問題なく楽しく読めました!オヌヌメです!2017/12/28
三上 直樹
1
現代中国を率いる習近平を、明の皇帝・永楽帝と比較しながら、その功罪を解き明かした内容。21世紀にありながら、明代と比べることができるのは、中華という文明の所以か、それとも国情が進歩していないからなのか、それが辺境にある日本に大きくかかわるだけに、見届けていく必要を感じます。2017/09/10
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