内容説明
「遊び奉行」とは、禄高の割に月に一日の勤めでよいことから裁許奉行に付けられた別称である。藩主の長男ながら側室の子ゆえに、家老家に婿入りした九頭目一亀は、武士には禁じられている園瀬の盆踊りを踊った罪で、その暇な奉行に降格させられた。愚兄と誹られた振る舞いだったが、その陰には乱れた藩政を糺すための遠大な策略が!清冽で痛快な傑作時代小説、大好評「軍鶏侍」シリーズの番外編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかんべ
10
好きな作品は購入して、手元に。改めて読み返すと、園瀬の里が好き。それは五感に訴える描写で描いているから。匂い、音、風の皮膚感。するとみずみずしい景色がうかぶ。でも桔梗との事は余分な気がした。私怨にして欲しくなかったな。2016/02/07
タツ フカガワ
5
九頭目一亀(くづめいっき)は園瀬藩主の長子として生まれたが、側室の子であるため正室の子である弟が嫡男となり、自身は弟の家臣となる。自ら愚兄賢弟と言うその一亀が、一藩士として筆頭家老が専横する藩政改革に乗り出す物語。時代設定は軍鶏侍1作目の少し前で、おおらかで飄々とした一亀のキャラクターがいいですね。読後の余韻もいい。当然軍鶏侍シリーズでお馴染みの人たちも多く出てきて、岩倉源太夫の偏屈ぶりも面白い。一亀さんの続編、またぜひ読みたいものです。2019/04/18
コニタン
4
敵を騙すために味方も騙す、みんな口が軽いからね。2015/10/21
qoop
3
シリーズ外伝。一話目で、わずか五行で済まされた事件を長編化。若々しくも思慮深い主人公を魅力的な舞台に配し、藩内に跋扈する不正をただす痛快物語…と書くと如何にもデフォルトのようだが、著者の筆は古びた題材を活き活きと蘇らせる。新味を感じるかというと微妙だし、起伏に富んだ展開かと云えばそうでもない。しかし面白い。引き込まれる。骨太で、情感豊かで、情景描写が緻密で。これが筆力というものか。2016/01/09
ぺしみち
2
ちょいと長かったけど面白かった。桔梗は不要だったかな。2018/04/08
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