内容説明
明治憲法成立後の1890年代以降、天皇の特別な補佐として、首相選出を始め、内閣の存廃、戦争、条約改正など重要国務を取り仕切った元老。近代日本は、伊藤博文、山県有朋、西園寺公望ら元老8人の指導下にあった。非公式な組織のため、当初は政治の黒幕として批判されたが、昭和初期の軍部台頭下では未成熟な立憲国家を補う存在として期待が高まる。本書は、半世紀にわたり権力中枢にいた元老から描く近代日本の軌跡である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
32
最近この著者の本を読んでいるが、今回は個人の評伝ではなく「元老」。その成立・定義・構成メンバー・天皇との関係・終焉等を過去の研究を批判しながら再定義していく。やはり伊藤博文は偉大だし山県有朋も侮ってはいけない。元老と言われた人たちは格が違う。西園寺公望以降に人材に恵まれなかった日本と昭和天皇。親の心子知らずが国家を破滅させる。2019/08/18
skunk_c
24
重厚な内容でありながら読みやすかった。著者の「伝えたいこと」が明確だからだと思う。大久保利通の有司専制の考えを酌む伊藤博文が徐々に築き、山県有朋、西園寺公望が中心となって明治憲法下の天皇を支え、政権担当者を実質的に決めてきた非公式な組織の役割を、時代に沿ってコンパクトに解説してある。イギリス型議院内閣制を理想としながらも、未成熟な帝国議会に任せない制度設計は、時代の制約もあるが「古い」と一言で片付けられない。しかし特に末期の一人体制を考えると、西園寺の果たした調整能力の高さには、限界も含めて驚嘆した。2016/11/18
ぴー
22
本書のタイトルは元老だが、明治〜昭和初期の通史も分かるように書かれていたと思う。にしても、伊藤、原、西園寺の3人の政治家の手腕の凄さを改めて認識することができた。特に、西園寺も最後まで頑張ったんだなーって思いました。2023/08/16
崩紫サロメ
17
卒論からずっと元老に関わり続けている著者は元老は後継首相推薦などで天皇を輔弼することで日本の国際協調と民主化・近代化を安定して進めていくことに寄与したとする。特に内閣だけでは陸軍の統制が困難になることを考慮していた西園寺は理想に走る新聞論調や大隈重信より思慮深かったとする。陸軍の統制については仮定の部分も大きいが、開発途上国であった明治日本において国民意識が成熟するまでインフォーマルな機関である元老が果たした役割については一定の評価ができる。2025/12/15
モリータ
17
まとめ:政治権力として未成熟な天皇および政党との張り合いの中、天皇の下問に答えて後継の首相を推薦するという方式で国の進む方向を主導した元老。薩長藩閥重視の側面もあれば、元老ではない大隈や原を巻き込んで政党政治の前進に寄与した部分もある。元老が西園寺一人になっても、昭和天皇・内大臣との連携は保たれたが、山県のような陸軍を抑える元老の不在もあって、十五年戦争の時期には陸軍の暴走に食い止めることはできなかった。/著者は元勲と元老といった用語、あるいは誰を元老と認め得るかを先行研究を批判しつつ緻密に論じている。2017/08/05
-
- 電子書籍
- ジェネシスの音が響くまで【タテヨミ】第…
-
- 電子書籍
- 【電子限定版】死に戻り令嬢は憧れの悪女…
-
- 電子書籍
- 侯爵家の次女は姿を隠す 2 ~家族に忘…
-
- 電子書籍
- マイフェアフットマン【タテヨミ】第32…
-
- 電子書籍
- ヒメギミの作り方 1巻 花とゆめコミッ…




