内容説明
埼玉県のリハビリテーション病院で働く玲子はやる気に欠ける看護師2年目。 新しく赴任してきた若い医師小塚太一に、「リハビリってどんな意味?」と問いかけられて答えられず──。 医師と療法士と看護師と患者、チーム医療の中で成長していく玲子。 爽やかで新しい医療小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんき
87
玲子は言います。「リハビリって、過去と未来をつなぐための方法であり、期間であるんだなって。過去に大きな傷を負った人が、未来に向かってどう歩いていくのか。今まで通りには進めないのかもしれないけど、泣いたり、頑張ったり、自分の力だったり、誰かの支えだったり、全て使って立ち上がって、前より強くなって未来に向かっていくもの」と。わたしも人生でつまずくことがあると思います。そんなときに「リハビリ」して前より強くなって未来に向かっていけたらな、誰かに支えてもらったりしながらだったら、前に進んでいけるかも2017/12/05
モルク
69
筆者である川上氏がリハビリテーション科の医師ということもあり、他の医療現場とは異なるリアリティーがある。回復期の患者を扱うリハビリ病棟。看護師2年目の玲子が主人公。仕事のやりがいなどに悩んでいたが、新任医師太一からリハビリ治療のあり方を教えられ次第に真摯にそれに向き合うようになる姿を描く。患者の病気を治す仕事をしたいという新米看護師純平の思い、事故で下半身不随となった患者そしてその親の思い、「メスでも薬でもなく、人が治す」という思いで患者に向き合う太一と、様々な思いが交錯し生き生きした内容となっている。2018/02/16
舞
56
さらっと読了。リハビリ病院はあるのは知っていたし、療法士さんがいることも知っていた。でも具体的に、入院してリハビリって何?どいうこと?日帰りじゃだめなの?とも思っていた。これを読んで、リハビリ病院の中のイメージがよくわかった。先生たちや、看護師さん(メインは看護師である玲子)、療法士さん、そして患者さん。それぞれの思いがあることも。 また新しく知れた感じ。2018/12/13
さいたまのたぬき
51
若いリハビリに関わる看護師が周りからの影響を受けて成長していく姿を描くことで、リハビリテーションについての知識も与えてくれる1冊。 実際にリハビリテーションに関わるかたが書く物語で、こういった分野にまったく関わりがなくても、読み終わる頃にはしっかり理解できるような作りになっている。土地勘のある場所なので、これはあの辺か…と想像しながら読むことで一層現実感があるお話感じた。 ドキュメンタリーを軽い小説にしたような読みやすい1冊です。2017/11/15
七色一味
51
読破。タイトルにお隣の市の名が入っていて、もうほぼそれだけで借りたようなものです(笑)作者さんご自身理学療法士として勤務されていて舞台もリハビリ 病院、もっとこってり医療小説かと思ったけど、医療スタッフや患者さん、患者さんの家族との関わりから主人公が成長するお話し。引き込まれる部分もあればそうでない部分もあり、印象としてはちょっと「薄い」かな?何かインパクトが欲しい感じもしました。2018/04/01