集英社新書<br> 「憲法改正」の真実

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集英社新書
「憲法改正」の真実

  • ISBN:9784087208269

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内容説明

「護憲派」・「改憲派」に国論を二分して永らく争われてきた「憲法改正」問題。ついに自民党は具体的な改憲に力を注ぎ始めた。しかし、自民党による憲法改正草案には、「改憲派」の憲法学者も驚愕した。これでは、国家の根幹が破壊され、日本は先進国の資格を失う、と。自民党のブレインでありながら、反旗を翻したのは「改憲派」の重鎮・小林節。そして彼が、自民党草案の分析を共にするのは「護憲派」の泰斗にして、憲法学界の最高権威、樋口陽一。ふたりが炙り出した、自民党草案全体を貫く「隠された意図」とは何か? 犀利な分析を、日本一分かりやすい言葉で語る「憲法改正」論議の決定版! 【目次】はじめに――なぜ、われわれ二人なのか/第一章 破壊された立憲主義と民主主義/ 第二章 改憲草案が目指す「旧体制」回帰とは?/第三章 憲法から「個人」が消える衝撃/第四章 自民党草案の考える権利と義務/第五章 緊急事態条項は「お試し」でなく「本丸」だ/第六章 キメラのような自民党草案前文――復古主義と新自由主義の奇妙な同居/第七章 九条改正議論に欠けているもの/第八章 憲法制定権力と国民の自覚/第九章 憲法を奪還し、保守する闘い/対論を終えて 主権者としての心の独立戦争 小林 節/あらためて「憲法保守」の意味を訴える 樋口陽一

目次

はじめに――なぜ、われわれ二人なのか
第一章 破壊された立憲主義と民主主義
第二章 改憲草案が目指す「旧体制」回帰とは?
第三章 憲法から「個人」が消える衝撃
第四章 自民党草案の考える権利と義務
第五章 緊急事態条項は「お試し」でなく「本丸」だ
第六章 キメラのような自民党草案前文――復古主義と新自由主義の奇妙な同居
第七章 九条改正議論に欠けているもの
第八章 憲法制定権力と国民の自覚
第九章 憲法を奪還し、保守する闘い
対論を終えて 主権者としての心の独立戦争 小林 節
あらためて「憲法保守」の意味を訴える 樋口陽一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パフちゃん@かのん変更

71
安倍政権は保守ではなく革命政党。旧アジアの専制国家に戻ろうとしているように見受けられる。北朝鮮と同じ独裁国家の匂いがする。彼ら戦前支配層の子孫たちは日本国憲法を押し付け憲法というが、国民主権、人権尊重、平和主義のいい憲法だ。9条のお蔭でベトナム戦争やアフガニスタンやイラク戦争に巻き込まれずに済んだのだ。アメリカの2軍になって活動すれば、テロの標的にされる恐れもある。そして経済活動の一層の自由化で格差はますます大きくなるだろう。権力者が得するだけで、庶民にとっていい事は一つもない。今の社会を維持してほしい。2016/06/30

AICHAN

67
図書館本。自民党の改憲草案には改憲派も驚愕。国家の根幹が破壊され、先進国としての資格を失うと、自民党のブレインだった改憲派の小林節、そして護憲派の泰斗・樋口陽一のふたりが、草案全体を貫く隠された意図を炙り出す。2015年9月19日、平和安全法整備法と国際平和支援法が可決された。この戦争法案は明確に憲法に違反している。日本の戦後史上初めて権力者による憲法破壊が行われた。そして今度は、憲法を否定した当の権力者(すなわち独裁者)が憲法を改正しようとしている。憂慮すべきこの事態に立ち上がったふたりの声を聞け!2018/09/16

よこしま

59
まさに憲法停止状態。◆僕には『「日本会議」の研究』ばかり売れて、この機関や自民党が目指す憲法改正案の内容を知ろうとしないのが不思議でたまりません。売れてるから読んでるだけなのですか?◆明治憲法よりも更に古い慶安の御触書、封建時代そのもの。今の憲法は他の法律と真逆です。法律は国民を縛るもの、憲法は国家が暴走しないように縛るものです。復古主義と新自由主義を目指す世襲議員の憲法マニアが都合よく、国民に気付かれないように緊急自体条項や個人の権利を奪おうとしているのに。◆最後の投票箱、知る義務を果たしてください。2016/06/19

おさむ

42
憲法改正が現実味を帯びている日本政治の現状に、2人の学者が体を張った対談で警鐘を鳴らしています。感情的に見えるほどの率直な表現は、そこまでしないと読者に訴えが伝わらないとの切実な思いでしょう。改憲を目指しているのは自民党の世襲議員のマニアたち。9条無視の2014年7月の閣議決定による解釈改憲。スイス憲法を唐突に日本に持ち込む欺瞞。「福祉国家論」に内在する落とし穴。緊急事態条項の裏側にあるもの。復古主義と新自由主義が奇妙に同居する自民党改憲案。有権者が知恵と勇気を持ち、権力を監視していかねばなりませんね。2016/10/26

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

36
いま読んでおいてよかったと思う。小林氏によれば、自民の改憲族がいかに立憲主義について常識がなく、時代遅れか。また、彼らが理想とするのはファシズムが荒れ狂った戦前の10年間だと指摘。一方樋口氏によれば、明治憲法はあの時代ではそれなりに評価できる憲法で、自民の改憲案はそれよりもっと前近代的なものを目指していること。また、前文で新自由主義を国是とすることを宣言し、それで社会が壊れたところを前近代的な価値観でもって幻想的な癒やしを与えようとの意図があると指摘。目から鱗。思っていた以上によい本だった。2016/07/11

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