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内容説明
国語学の権威が最近の日本語を斬る!
『日本国語大辞典 第二版』『小学館 古語大辞典』(以上、小学館)、『明鏡国語辞典』(大修館書店)の編著者としても著名な国語学の泰斗が、日ごろ目にしたり耳にしたりする、「なにか変で、どこか気になる」表現を取り上げ、どこが変なのか、何が問題なのかを簡潔に解説します。
たとえば、「住めば都」の意味を「もし住むなら都会」と勘違いしている若者が増えています。
なぜこういう解釈をしてしまうのでしょうか。
また、スポーツ選手が「ノーミス(を)する」という表現をするのを耳にすることがありますが、この表現のいったいどこが変なのでしょうか。
全体は二部構成です。
第一部では「変な日本語 気になる日本語」や「世相を映して生まれる日本語」「間違えやすい日本語」を取り上げ、どこがどう変なのかを明快に指摘します。
第二部では対談を二つ収録しました。
一人目はフリーアナウンサーで日本語に関する著書も多数ある梶原しげる氏。もう一人は文化庁国語調査官の鈴木仁也氏。
北原先生と最近の日本語事情について縦横に語り合ってもらいました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayzk
10
否定か肯定か解らぬ「大丈夫」、丁寧に喋っているようでおかしな敬語表現、には本当に『しっくりこない』。 品がないとかガラが悪いとかと言うのとは違う見ざわりな言葉をこの本でも正して下さいます。 とは言うものの、「(話し合いが)煮詰まる」の意味は、私も恥ずかしながら誤解しておりました。2023/05/10
tolucky1962
7
言葉は生きていて,おかしな表現が残る場合もある。仲間内表現や誤用の多数派化も。おかしな例は神戸な人。ノーミスをする。感動を与える。全然大丈夫。オノマトペにきんきん。ざっくり。ほっこり。うるうる。さくさく。仲間内言葉はシャびる。与謝野る。バリキャリ。キャラい。きょどる。きれくなる。そんななか漢語の動詞形容詞化目論む。非道いは残った。誤用の多数派化は役不足。世間ずれ。おっとり刀。気が置けないなど。目的や関係性使い分けられる。冗談や笑いも,正確性や敬意も大切。 2021/02/27
🍮
2
普段意識しなくてもしっくりこない日本語(全然大丈夫等)を使っている自分が怖い。2020/02/08
ふみ乃や文屋
2
「正しい・間違い」をいうのはことばの運用の事情としてやむなしとはおもうが「本来」「そもそも」と言われると「おや?」と引っ掛かりを感じる。どの時点を「本来」の基準点にするのかによって変わってきてしまう。本来が指す定義が欲しかった。書名が「しっくりこない」なので、北原氏の感覚が押し出されるのは否定できない。にしても、案の定「若者が~」という論調が出てくるのが閉口する。若者が正しい日本語を知らない・使えない、という書き方をされると反発を覚える。正しい日本語の危機を叫ぶのはよいが、間違いを糾弾するだけで何になる。2018/02/25
KURENAI-XJAPAN
1
この本は言葉に対して意識させる、違和感を覚えさせる為の一冊です。私自身、日頃から人と話す時だけでなく、人の話す言葉にも意識して一言一句耳を傾けないといけないと気づきました。例えば「感動を与える」と言う言葉をインタビューなどで聴きますが、感動とはそもそも自らが生み出すもので与えるものではない。「全然大丈夫」も正しくは「全く問題ありません」です。日常会話にも落とし穴がたくさんあると学習しました。まだまだ意識が足りないです。少しでも敏感になるとともにきちんとした言葉を話せるようにしたいです。2018/03/25