内容説明
その夏、軽井沢でジョンに起きた奇跡。伝説のデビュー作、20周年記念新装版! 1979年、軽井沢。世界を熱狂させたポップスター・ジョンは、妻と愛する息子との静かな隠遁生活を楽しんでいた――はずだった。猛烈な便秘に襲われるまでは。不安を抱え小さな医院に通うジョンが遭遇した不思議なできごと、そして奇跡。ユーモア溢れる喪失と再生の物語。人気作家のデビュー作に「二十年後のあとがき」を加えた新装版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
86
私はその時中学生でした。時代が時代だしジョンが主夫宣言をして活動休止したニュースは受け入れらなかった。アルバムも作らず、政治的な発言などもしなくなった。その空白の三年間を奥田さんがこんなに楽しく不思議なフィクションにしてくれた。ヨーコの別荘がある軽井沢でのお盆。過去の自分の行いへの後悔、とりわけ母親との苦い思い出が心と体のバランスを壊してしまい便秘に悩まされた挙げ句、あの名曲がスポーンと生まれたことにしてしまうなんて!ぶっ飛んでる。ファンはもしかすると怒ったかもしれない。日本での夏がジョンを変えたんだ。2017/09/19
毎日パン
75
前半までは読むのを中断するか迷いつつ読み進めましたが、後半からは胸が熱くなる内容でした。今丁度自分で深く悩んでいる事と本の内容がリンクして心に響くものがありました。奥田英朗さん、こういった話も書かれるのですね!2022/01/13
ふじさん
75
大好きな奥田英朗の作品ということで買ったが、今まで読む気がしなかった。12月8日のジョンレノンの命日をきっかけに読んでみた。最初は、面白さが分からず、途中で読むのを辞めた。結果的には、奥田英朗があとがきで書いてるように、「心に傷を持ったある中年男の再生の物語として読んでいただければ幸いです」の言葉の後押しで読み切れた。ジョンレノンのことは、ビートルズ世代としては詳しく知っていたが、日本での生活については、あまり知らなかったので面白く読めた。最後には心も癒された。 2020/12/17
カブ
52
奥田英朗氏のデビュー作を新装版で読んだ。20年後のあとがきがよかった。舞台は1979年、お盆の軽井沢。世界のポッポスター・ジョンが森で出会ったのは?!ひと夏の不思議な体験。2017/08/23
AICHAN
46
奥田英朗のデビュー作。ビートルズ解散後、ジョン・レノンはオノ・ヨーコと結婚し、それから4年間、日本の軽井沢で隠遁生活を送った。この小説は、ジョンの大ファンの奥田さんが空白に近いその4年間に焦点を当てて書いたフィクション。期待したのだが、読み進めさせる力を感じず、だらだらと話が続く、何ともおもしろくない物語だった。図書館に寄贈。2022/10/23