内容説明
惨殺された若き資産家の喉には可憐な花が活けられ、その妻は行方をくらました。新聞社には「警察とのゲーム」をほのめかす挑発的なメールが届き、殺人分析班の如月塔子ら警察は怨恨の線で動き出す。しかし犯人の魔の手は警察にも及び、ついに――。猟奇的な劇場型犯罪を緻密な推理で追い詰める人気シリーズ7作目。(「蝶の力学 警視庁捜査一課十一係」改題)
目次
第一章 ブルーデージー
第二章 ローズマリー
第三章 コレクター
第四章 クラスター
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
192
今回も高いクオリティ。今回も振り回された。今回はより探偵もの要素が強まった。二つの事件をまぜこぜにするのは、最近のお約束でしょうか、読み始めてすぐ、あ、またもや異なる犯人による2事件が混在してるだろうなと。ちょっと懲りすぎてきた感はあるけれど、最後にぱっと綺麗に種明かし、もつれた紐がほどけてゆくさまは快感。これだけ続けて良作を生み出すのは難しかったろう。続きも楽しみ。 2019/02/25
nobby
143
シリーズ7作目。実に前作から2年以上経って読んでも大丈夫なのが素晴らしい(笑)今作は鷹野さんが序盤から不安定な上でまさかの途中離脱!気合い101%位で頑張るチームが嫌いじゃないけど、やっぱり最後は鷹野さん…『蝶の力学』いわゆるバタフライ・エフェクト、真犯人はちょっと強引で突発過ぎる気もするけど、必ずしも広くない範囲での事象が繋がる結末は面白かった♬それぞれの遺体の喉元えぐった先に活けられた四輪の青い花…花言葉など意味深な導きをよそに見出された真意には驚かされた!さて、歯痒いばかりの二人の進展はあるのか!?2022/02/13
KAZOO
132
このシリーズの文庫化している本の7作目です。もう少しで8冊目も文庫で出るようです。はまってしまっていますが若干マンネリ化してきたかなという感じもすることがあります。そのためかどうかはわかりませんが、主人公の片割れが犯人によって襲われたり、過去に相棒を死なせた経緯を書かれたり工夫されているようです。ただ今回では犯人が殺人を犯す必然性などがあまり説得性のあるものではないように感じました。2018/06/10
ケイ
107
どんどんハマっていくシリーズ第六段。 さて、二人のうちのどちらかが何れ…とは思っていたが、そちらにきたか。いつももう少し柔道とか剣道とかマーシャルアーツをやってないのだろうかと突っ込むんだよね。最後は金田一耕助とかサスペンス劇場的展開になったのが少し気に食わないのだが、劇場型犯罪だからかな? シリーズの残りが少なくなってきたことが心もとないが、やはり次もすぐに読んでしまうな。2024/05/09
えみ
70
一つ一つの出来事が連鎖しながら徐々に大きくなっていく。何事にも多少なりともそういった傾向はあるが、殺人分析班シリーズ7作目にしてこれほど連鎖を強く意識したことはなかった。“連鎖”それは良い結果を生むのか悪い結果を生むのか。半人前刑事の如月塔子とその教育係の鷹野秀昭が不可解で複雑な凶悪犯を追う。刑事の成長、仲間との固い絆、事件の直射されなかった部分を炙り出す過程。警察小説の中でも一際「人」の部分が露わにされていてお気に入りシリーズ。だが今回は塔子と鷹野の関係にヒビが…。依存と信頼の違いに気付き成長できるか。2022/05/08
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