文春文庫<br> 新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相

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文春文庫
新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相

  • 著者名:小野一光
  • 価格 ¥1,018(本体¥926)
  • 文藝春秋(2017/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167909161

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内容説明

“二十一世紀最大の謎”を描ききった事件ルポの白眉!

まさに未曾有の怪事件。発覚当時63歳の女を中心に、結婚や養子縁組によって複数の家庭に張り巡らされた、虐待し搾取する者とされる者が交錯する人間関係。その中で確認された死者11人。この複雑きわまる尼崎事件の全容を執念の取材で描いた、事件ノンフィクションの金字塔。文庫化にあたり70ページ大幅増補。
解説・永瀬隼介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

89
その奇怪さ残虐さゆえ、発覚当時世を震撼させた尼崎連続変死事件。被疑者の自殺後報道が終息し、真相解明が危ぶまれるかたちになっていた。このノンフィクションは、情報を知る関係者や被害者のみならず、加害者の証言をも丁寧に掬い、闇に葬られつつあった事件に再び光を当てた渾身の一冊だ。人の理性や尊厳はこうも脆く崩れ落ちてしまうのか?そんな愚問は「戦時下で監禁されるのと同じような状況」という言葉の前にかき消えてしまった。子が親を、親が子を、兄弟が姉妹が…そんな修羅場を生き残った人々にどうか安寧な日々を…そう心から願う。2018/01/16

ゆいまある

69
怖かった!!!北九州の事件と似てるんだけど、舞台が高松市。瑠衣ちゃんの高校もどこかすぐ分かる。自分の生活圏内でこんな事件がと思うと他人事ではなく、厚くない本なのに見落とさないように集中して読んで時間がかった。読みながら眠ると悪夢で目が醒めた。今まで読んだ本の中で一番人物相関図が複雑。登場人物が多いし、血縁がないのに戸籍上は親子だったりで覚えきれない。それでも読む価値はあった。警察も親族のトラブルには干渉しないの辞めないと、DV減らないしこんな事件もまた起こる。表に出てない関係者がまだいることが示唆されてる2018/11/26

★YUKA★

45
尼崎連続変死事件のノンフィクション。この手の本を読むと毎回思いますが、なぜ!なぜ食い止められなかったのか。警察がもっと早く動いてくれれば…と。文庫版 その後の「家族喰い」は、なんだか複雑な気持ちで読みました。生き残った人たち、きっとそれぞれに遣りきれない感情があると思いますが、それが文面からひしひしと伝わり、苦しくなりました。エピローグでのママの「角田ファミリーだけがおらんようになっても、同じようなんはなんぼでもおる…」という言葉が衝撃でした。表に出て来て無いだけで、苦しんでいる人達がいるんでしょうか。2018/08/23

メタボン

37
☆☆☆☆ 美代子の家族に食い入りむさぼりつくす悪魔のような所業、駆け込んでも民事不介入の一点張りで無策の警察、精神的に引き離され身内に対して暴力を振るわざるをえなくなるまで追い詰められた人たち、そして絶望の中で息絶えていく家族。暗澹たる気持ちになった。美代子の他人をコントロールする能力はすさまじい。そのわりにはあっけなく自殺してしまうのが不可解。執念の取材により完成された稀有のノンフィクションだった。2021/10/05

じーにあす

32
「家を取られたんや」2011年に発覚した尼崎連続変死事件。複数の家族を監禁・虐待して多額の金銭を搾取し殺害した事件であり、死者・行方不明者は10人以上にのぼる。主犯の角田美代子は逮捕の翌年に留置施設で自殺。事件の全貌は今尚不明な部分が残る。ここまで怖ろしい事件が現実に起っていた恐怖。家族同士で暴行を強要させるやり方は胸が痛む。警察は民事不介入で助けてくれない。この絶望感は凄まじいと思う。金を巻き上げるために自殺を強要させられる心境は想像がつかない。虐待の末の死亡も。「骨と皮だけでした」もう、何も言えない。2021/11/09

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