内容説明
「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」
(田中角栄)
本書は、歴史家や軍事評論家が書く戦争論ではなく、国際的な見識を持つ代表的なビジネスマンであり、中国をよく知る元中国大使の丹羽宇一郎氏が、軍事や戦争に対する本質的な疑問を、戦争体験者や軍事・安全保障の専門家にぶつけ、そこから得た知見と教訓をまとめたものです。
戦争の痛みも知らず、戦力の現実も知らないまま、気に入らない国は懲らしめろという勢いだけがよい意見にはリアリティがありません。私たちは、いまこそ戦争の真実を追ってみるべきです。その上でもう一度、日本の平和と防衛を考えてみるべきではないでしょうか。
日本人は72年間戦争をせずにきましたが、同時に戦争を知ろうとせずに過ごしてきました。あと10年もすれば戦争を知っている世代がいなくなるでしょう。私たちは戦争の語り部を失ってしまうのです。
いまが最後のチャンスです。
■本書の3大特徴
1.戦場の真実がわかる
2.日本の防衛力の真実がわかる
3.日本が目指すべき道がわかる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトシ@朝練ファイト
27
なるほど、総合商社のトップが「先の大戦」を書くとこんな感じになるんだ。人脈、見識とも敬服したい。本文には出てこないが、機会があれば平岩外四の従軍記も読みたい。2020/05/10
金吾
25
元中国大使なので新たな視点から物事を見れるという期待値が高すぎました。至極真っ当ですが、普通の視点かなと感じました。もう少し中国の分析をして欲しいと思いました。2021/04/30
やま
17
「敗者の歴史から学ぶ必要がある。現代史を学ぶこと。 ・戦争は国民を犠牲にする。 ・戦争で得する人はいない。 ・結局みんな損をする。 ・特に弱い立場の人ほど犠牲になる。 ・日本は二度と戦争をしてはいけない。」 2章の戦争に行った人たちの話は強烈で、途中で読むのがつらくなるような内容だった。「人は間違うのだ、それが人間である。人の心はもろく弱い」。そして、この本も、ぜひとも若い人に読んでもらいたい。でも、手に取る機会があるだろうか。目に触れるといいのだが。。。2020/10/27
ヘタ
16
民主党政権時に中国大使に任命されたくらいの方だからと、覚悟して読んだ。が、それにしてもスゴイ。ある意味で、2019年ベストテンに入るかもしれない読書体験だ。考えようによっては読んで良かった。数行しか書いていないが、著者と田岡俊次何某とかいうしぶとくもまだご存命の軍事自称ジャーナリストの拉致問題に対するスタンスには屁が出た。違う、驚きの声が出た。本という、半永久的に残る媒体にこのような内容を書かれるとは、本当にスゴイ。既に提起され主流になりつつある反論に全く再反論せず、2019/01/08
ほじゅどー
16
★★★戦争は不条理、不合理で、愚かしく、残酷で、悲惨で、不毛なもの。国民にはなんの役にも立たない戦争の真実を知ること。戦争をなくすためには、まず戦争を知ることである。日本は72年間平和であったが、同時に長い間、戦争の真実を知らずに過ごした。まもなく戦争を知る世代がいなくなる。戦争を知らない世代が政治の中枢となった時はとても危ない。2018/03/21
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