内容説明
日本最大のメガバンクを喰らい尽くす、魔の「T計画」が発動! TEFG銀行は絶体絶命の危機に陥った。総務部長としてこの難局に挑む二瓶正平。そして、頭取の椅子を捨て相場師として生きていた桂光義が、義と理想のために起(た)つ。史上最大の頭脳戦がここに始まった。経済の巨龍・中国の影。謀略 vs. 戦略。マネーを知り尽くす著者にしか描けなかった、痛快無比の金融エンターテインメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
57
【男祭り@月イチ】『メガバンク最終決戦』の続編。登場人物も被るので続けて読んだ方がわかりやすいと思います。今回は役員の女性スキャンダルから始まったので、あれ?と思ったのですが、やはり銀行モノでした。前作より読みやすくなっていたようです。人間関係が国際的で、ありえないだろうなと思いつつ、うらやましく思えたりしました。こういう世界でガンガン働く人生、送ってみたかったです。2017/06/23
まつうら
38
序盤から前作の主要人物が登場し、否が応にもワクワクさせる展開。何よりも桂がかっこいい。相場に生きる男の知的でスマートな立ち振る舞いは素敵だ。 本作では、日本にSRB構想が立ち上がる。融資のとき担保しか見ないメガバンクに対して、きちんと事業計画を評価し、顧客とともに成長しようという取り組みは、とても頷ける。後半は前作同様、登場人物たちの伏線を急速に回収しつつ、TEFGとCICの決戦に突入する。投資家のジャックシーザーもTEFGに加勢するが、彼はチャンドラーやハメットの世界が好きだという。モデルはだれだろう?2021/12/13
Yunemo
36
シリーズ3巻目、2巻目が出ていたことは知らずに本作品を。絶滅戦争、最終決戦、そして絶体絶命へと。表題を見ただけでも面白味が。何といってもあり得ないような荒唐無稽さと非常に現実的、リアルさが、妙に絡まっての展開にページが進みます。SRBの思想は現在の地域経済の発展を、また銀行とは地域に密着してこその存在を、本当の顧客第一主義、理想と現実の狭間でもがき苦しみます。いくら荒唐無稽とは言っても、2代に亘って金融庁長官が、この思惑にはやりすぎの感。でもこの状況下、人間同士の信頼感がたっぷりと、だからこそ楽しめます。2017/04/02
速読おやじ
28
こんな脇が甘々なメガバンクないだろうと思いつつも、元銀行員なので銀行モノは大好物。米国の大地銀をイメージしたSuper Regional Bank構想とか、TOBに対する逆TOBとか、途中まで興味深かったのだが、後半クライマックスに行くところがかなりバタバタしていて、ストーリーとしての説得力がいまひとつだったかも。女性行員に溺れる元副頭取の脇の甘さと、相変わらずカッコいい生涯ディーラ―一筋の桂さんが目立ちました。なんだかんだ言っても第三弾も読むだろうなあ。2024/01/25
緋莢
18
金融庁が発表したスーパー・リージョナル・バンク「SBR構想」。地銀を合併させ、これまでになかった巨大地銀を各地域に作っていくという計画の 裏には恐ろしい企みが隠されていた。その企みはメガバンク・TEFG銀行を窮地に陥れる。総務部長の二瓶と、TEFG銀行の頭取の座を捨て、投資顧問会社を経営する桂が再び戦いに挑む!2017/03/12




