内容説明
リアルな不幸や辛苦がゆえに釈尊のもとに集った女性たちの、現代にも通じる具体的な悩みや苦しみ、そして喜びが綴られる。仏教が本来もっていた男女平等思想を明らかにする名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
45
原始仏教の頃の尼僧たちの様子を知る貴重な本である。スリランカなどには古くから伝えられてきたが、日本には明治時代になって入ってきた。本書の特徴は解説が全体の半分近くを占める点であり、古代インドに関する知識が乏しい場合はこちらから読むことをおすすめしたい。ギリシア人のメガステネースが『インド誌』の中でインドでは「女性の哲学者たちがいて、男性の哲学者たちに伍して難解な哲学を堂々と議論している」と記しているが、この「女性の哲学者」とは仏教の尼僧のことであり、原始仏教の時代には男女平等の思想があったことがわかる。2023/07/31
mongkeke_tarikh
3
先月NHKの100分de名著の法華経の回で指南役をされた植木先生が、岩波版「尼僧の告白」とは別に邦訳されたもので、番組や先生の関連著書でも度々引用されてた事もあり購入した次第だった。恥ずかしながら「初期仏教の男女平等思想」については全く暗かったため、番組や植木先生の関連著書で初めて具体的な話を聞いた感じだった。仏滅後に仏教が「バラモン教ヒンドゥー教化」してしまった事を憂い、初期仏教に立ち返ろうと言う「ルネサンス運動」が大乗仏教興隆の実態だったとの話には、目から鱗な思いだった。2019/12/04
きょん
1
原始仏教に尼僧の言葉を集めたものがあると知って興味深いと感じた。お葬式のためではない、仏教の話。2018/04/15