内容説明
スピン幾何学は微分幾何学の一分野であり,リーマン幾何学だけでは見えなかった新しい幾何学を与えてくれる.大域解析学や表現論そして理論物理学との関係も深く,現代数学で不可欠な分野となっている.
本書はスピン幾何学の基礎と,他のさまざまな幾何学とのかかわりを解説した入門書である.前半では,手を動かしながら直感力が働くような方法で,微分幾何学の基本事項などスピン幾何学に必要な概念を解説する.後半では,指数定理から分類定理までを学ぶ.本書を読むことで,スピン幾何学を軸にして,微分幾何学の道具の使い方を理解することもできる.
目次
第1章 クリフォード代数
第2章 スピノール表現
第3章 ベクトル束とスピン構造
第4章 接続と共変微分
第5章 ディラック作用素
第6章 幾何学で現れるディラック作用素とその応用
第7章 いろいろなスピノール
第8章 分類定理