内容説明
売買春は、米軍によって変貌してきた。
15年以上の紛争地取材が生んだ、現場ルポの決定版!!
国が体裁を整えるとき、はじめに手をつけられるのは、常民ではない人々であることは世の常である。常に緊張を強いられる、極限状況で暮らす娼婦たちの眼から、世界はどのように見えているのか。
国家、軍隊、階級、習俗、貧困。人を縛るものが溢れる世で生き抜く女たち。
戦場とは遠い異国にあるのではなく、常に暮らしている社会の中にあるものだ、と彼女たちは私たちに気づかせてくれる。
日本も70年前は戦争状態にあった。そして、戦場は形を変えて日本にも既に入り込んでいるのだ。
本書に登場する娼婦たち
●イラク戦争下で生きるパンパンガール
●ガジャル・イラクで迫害されるロマ
●デウキ。寺に捧げられ娼婦となったネパールの女たち
●売春カースト・バディ村の少女たち
●ヒジュラ、第3の性の娼婦
●娼婦供給地とされたタイ・イサーン地方の女たち
●中国の戸籍なき女、黒孩子
●韓国米軍基地村の娼婦・洋公主
※本書は、2016年7月30日に配信を開始した単行本「娼婦たちから見た戦場 イラク、ネパール、タイ、中国、韓国」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
42
うーん、今一。2016/08/28
たまきら
22
とりあえずいろいろな紛争地帯へ行って買春して女の子達からお話聞いちゃいました~。そういうノリな本です。欲に翻弄される、需要と供給のシステム。それが純真な目をした子供であると怒りしか覚えません。性交という非常に親密な行為を売り買いするシステムは永遠になくならない。でもやっぱり、うんざりする。買うなよ性交。売血や纏足といった内容も悪くはないが文の迫力はない。やっぱこの人は写真なのね。2017/06/26
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
5
正直ちょっと冗漫。タイトルから、戦場にいる娼婦たちばかりを取り上げているのかと思ってしまった。女が体を売るのは古来から貧しさゆえ。女を貧しくさせる最たるものが戦争ということか。どの戦争も既知のことが多かったけど、ネパールのデウキのくだり、マリアが処女でないといけなかった理由を思うと何も信じられなくなる。2017/02/17
NoControl
3
著者しか詳細な情報を持ってなさそうな貴重な話(イラク、ネパール関連)と、現地で仕入れた情報も含むものの比較的どこかで聞いたことのある感じの話(中国、韓国関連)で玉石混淆な印象。タイトルに戦場といれるのは確かにそうだが、なんか違う気もする。聞いたことのない話は興味深く読めた。2019/01/26
侍の笛1吋
1
イラク ネパール タイ 中国 韓国の戦場における娼婦に関するレポート。 イラク以外が戦場に該当する? ネパール、タイは内線 中国は歴史を追い纏足の女性を捜し、韓国は慰安から朝鮮戦争後のアメリカ基地周辺の娼婦についてのレポート どの国も貧困からの脱出や非人等の差別が根底にある。2020/07/24