内容説明
ニューディール政策を厳しく批判し、米国伝統の非干渉主義の立場から、第二次大戦への関与に反対していた著者ハミルトン・フィッシュ下院議員(当時)は、フランクリン・ルーズベルト大統領が最も恐れ、かつ最も憎んでいた共和党の重鎮である。 フィッシュは真珠湾攻撃後のルーズベルトの対日宣戦布告に同調するも、のちに大統領が日本への最後通牒を隠していたことを知り、日本との戦争は対ドイツ参戦の前段にすぎず、チャーチルとルーズベルトこそがアメリカをこの戦争に巻き込んだ張本人であると確信するに至る。 本書は、大戦前夜の米政権の内幕を知る政治家が自ら書き残した、現代史の相貌を根底から覆す驚くべき証言である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Åκ
12
原作1976年に発表。日本語訳2014年に発刊。これから少しずつ日本に広まるのを期待する。百田さんやケントさんに読んでほしい。2019/07/14
nabe
11
読み進むうちにだんだん腹が立ってきた。権力欲にまみれたフランクリン・ルーズベルトと戦争がしたいチャーチル、狡猾なスターリンが同時代に各国のトップでいたために、数百万以上の若者や無辜の市民の血が流された。著者は思いを達したのは共産スターリンだけで、他の各国は多くのものを失ったという。ルーズベルトは己れの権力欲を満たすために自国民をも欺いて戦争を始め、日本は一方的に侵略国家とされた。日米開戦は日本が悪かった、と考える多くの人が読むべき1冊だと思う。2017/09/16
新父帰る
10
ルーズベルトの好敵手であり、非干渉主義者で共和党の重鎮の著者が皮肉にも対日宣戦布告容認スピーチを議会メンバーでは最初に行ったことを後悔し、ルーズベルトがスピーチした1941年12月8日を「恥辱の日」として胸に刻印した。著者は対日最後通牒であるハル・ノートが日本側に渡っていることを知らせなかったことに憤慨してルーズベルトを糾弾し、真実を明らかにする為に本書を著した。ルーズベルト政権が共産主義者に取り込まれていたこと、スターリンを異常なまでに信頼していたこと、チャーチルをコケにしていたことが綴られている。2019/04/10
KAN
10
歴史の「修正主義者」という言葉についてのイメージはこれまでは胡散臭いもの、怪しさを持っていたが、実際は自らの欲望を優先させ、多くの犠牲者を生み出したことへの罪意識から逃れ、自己正当化しようとしてきた勢力がそういうレッテル貼りをしてきたし、自分自身もそのプロパガンダの影響をはっきりと受けていた結果だと思う。他人の罪を弾劾する前に自分の中にもその罪があるのだと自覚してまず真実を見つめる謙虚な心を持とう。2017/09/26
せいや
8
第二次世界大戦時にアメリカを戦争に引きずり込んだフランクリン・ルーズベルト大統領の戦争責任を糾弾する。大統領の政敵であったハミルトン・フィッシュの著作。ルーズベルトは若者を戦争に行かせないとの公約で大統領になったはずなのに、議会と国民を欺いて戦争を世界に拡大させた張本人であった。ソ連と共産主義にシンパシーを感じ、政権中枢を容共派で固め、ソ連のスターリンにだけ都合の良いようにしてしまったため、大戦後、東欧諸国や中国を赤化させてしまった。人類不幸の根源。2017/05/04