ちくま学芸文庫<br> 哲学の誕生 ──ソクラテスとは何者か

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ちくま学芸文庫
哲学の誕生 ──ソクラテスとは何者か

  • 著者名:納富信留【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 筑摩書房(2017/07発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480097941

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内容説明

哲学はソクラテスとともに始まったと見なされてきた。だが、何も著作を残さなかったソクラテスが、なぜ最初の哲学者とされるのか。それを、彼とその弟子のプラトン、アリストテレスという3人の天才による奇跡的な達成と考える従来の哲学史観では、致命的に見落とされたものがある。ソクラテスが何者だったかをめぐり、同時代の緊張のなかで多士済々の思想家たちが繰り広げた論争から、真に哲学が形成されていく動的なプロセスだ。圧倒的な量の文献を丹念に読み解き、2400年前、古代ギリシアで哲学が生まれるその有り様を浮き彫りにした『哲学者の誕生:ソクラテスをめぐる人々』の増補改訂版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

15
ソクラテスを当時の文脈に置き直す試み。彼の刑死後に出されたポリュクラテスの『ソクラテスの告発』に応えて、いわゆるソクラテス派の人々によって、様々なソクラテス弁護の論陣が張られる。プラトンの著作もこれに含まれる。当時の政治的、知的状況や、ソクラテスが裁判にかけられた事情、彼を取り巻く人々等が紹介される。中心となった問題は、クリティアスやアルキビアデスのような人達へのソクラテスの影響がどのようなものだったかということである。自分はアルキビアデスについてよく知らなかったので、なかなかスケールの大きい人で驚いた。2022/02/16

那由田 忠

15
師弟関係にある3大哲学者の巨人中心史観から、実際のソクラテスのあり様を確認する資料が少ない中で、どう推測していくのかという問題に対して、ソクラテスの死刑判決後、アテネに反省の意識が生まれる中で、ポリュクラテスの「ソクラテスの告発」という死刑弁護論が出て、それとソクラテスを擁護するソクラテス派の間に論争が始まったことと、強烈なソクラテスの対話、問答法の影響で「ソクラテス文学」が生まれてきたという状況の下で、「自然哲学」やソフィストからソクラテスの対話を弁別する意図で、プラトン哲学が西欧的哲学として現われた。2017/05/03

singoito2

10
プラトン「パイドン」きっかけ。ソクラテスが刑死したのは寡頭政治を指示したと思われたためだったとか、ソフィストVS.哲学者という観念がアテネ市民には無かったとか、史的ソクラテスについて教えてくれる本。プラトンや当時の哲学について何冊か読んだ後なら、十分に愉しめると思いました。2024/02/25

mikio

10
その著作が伝わっていないソクラテスの姿は、プラトンやクセノフォンの著作を通して想像することができる。ペロポネソス戦争から三十人政権、その後の民主制へと移り変わるアテナイ情勢下において、告発により死罪となったソクラテスを、仲間たちが擁護のために著したとされる「ソクラテス文学」が哲学のうねりを創り出した始まりという。歴史背景の中で、ソクラテスの仲間たち、告発側の面々それぞれに個性があり、小説のようでおもしろかった。そういう観点からもあらためてプラトン作品を読んでみたい。2023/01/03

ライクロフト

9
"ソクラテスが哲学者であったのではない。ソクラテスの死後、その生を「哲学者」として誕生させたのはソクラテスをめぐる人々であった。"(まえがき) 先日読んだ『パイドン』訳の納富先生による、ソクラテスをめぐる人々とソクラテス文学、日本におけるソクラテス受容の歴史、「無知の知」をはじめ誤ったキャッチフレーズが流布していることなど、興味深く読んだ。「哲学は、つねに、今、はじまる。」次にプラトンを読み返すときは、今までとは全然違った視座になると思う。2019/08/17

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