内容説明
成功の反対は、失敗ではなく何もしないこと。前「暮しの手帖」編集長が四十九歳を迎え自ら編集長を辞し新天地に向かう最中に綴った自叙伝的ベストセラーエッセイ。あたたかな人生の教科書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kum
26
49歳で「自分自身を一度ゼロ設定し、リスクを自覚しながらも、新たなフィールドに飛び込む選択をした」という著者。これまでにも何冊か読んでいるが、仕事にも人にも真摯に向き合う姿勢は本書でも貫かれている。人と本音で関わることと自らの内面と向き合うことをどちらも大事にし、常に物事に対してフラット。松浦さんの本を読むと自分もゼロ地点に戻る感じがする。仕事とは「人を助けるもの」を探すこと。自分の能力で人を喜ばせられるスイートスポットを見つけることが大事。2020/03/23
ばんだねいっぺい
19
こうやって、教えてくれようとする先輩がいることがありがたい。2017/10/15
うちこ
5
毎度ながらひらがなが多くて、まろやか。なのに、スパイスがしっかり存在して本格チャイの味。かつてのエッセイはていねいじゃない意識を批判するような、そういう気持ちが見え隠れするところを感じて、それが刺激でもあり魅力でもあった。でも今回に至ってはなんだかチャレンジャー側の視点での謙虚さがキラキラして見える。かといってテクノロジー礼賛にいきなり振り切ることもなく「すてきにがんばる伯父さん」というキャラクターを確立しはじめている感すらある。野心に触れているトピックもある。相変わらず不思議な魅力。2017/08/30
しょうご
4
松浦弥太郎さんのエッセイを読むといつも背筋がぴんと伸びます。 49歳の頃、ちょうど『暮らしの手帖』の編集長を辞するときに書かれたものとのことでした。 発言される内容の芯のブレのなさはさすがだなぁと少し前のものを読むと思います。2023/11/24
hi!!!!!
4
著者の事は知らず表紙絵に惹かれジャケ買い(小澤真弓/装画)。購入後「暮しの手帖」前編集長のエッセイだと知る。幼少期から現在に至るまでのエピソードと著者の考え方生き方について書かれている。共感する部分も多くある一面、ときどき理屈のつじつまが合わないのは、それも含め人間の中の幅であり「最低にして最高の道(高村光太郎)」という事なのだろうか。著者のつぶやく「魔法の言葉」が「今に見てろ」だというのは他の章とは理屈が合わないのでは、と気になった。一見理路整然としているようで、とても感情的な本なのだという印象。2017/12/15