内容説明
憲法と法律は、まったく違うものです。
その違いは、「誰が従うのか?」という点にあります。
憲法は「国家」が従うもの、法律は主に「国民」が従うものです。「権力が濫用されないように国家を縛る法」、それが「憲法」なのです。
憲法改正の場面では、国民の一人ひとりが「政治家」です。
“改憲派”の自民党改正草案が、なぜ「ヤバい」のか、“護憲派”のなんでも反対の姿勢が、なぜ問題なのか ―― 「憲法の本質」を知り、みなさんが政治家として正しい決断を下すことを願って、本書を執筆しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルピニア
52
5月の憲法記念日によせて。自民党の憲法改正草案について、改正点とそれによって起こる変化について、筆者の意見を述べている。自分の不勉強に愕然とした。9条に関する部分しか気にしていなかったのだが、もっと憲法の根幹を成す「人権」についての考え方に対する改正も含まれているとは。私は筆者の意見が全て正しいとは思わない。他の意見も読んで自分の考えを固めていきたい。しかし、少なくともこの改正を一度に進めるのは暴挙だと感じる。個々の改正点ごとに一般国民を交えて内容を討議したうえで、国民投票を行っていくべきだと思う。2018/05/18
oldman獺祭魚翁
30
総選挙も終わり、今政権は本気で憲法改正に挑もうとしている。タイトルの軽さに騙されてはいけない。現行憲法と自民党改正憲法草案を比較した解説書だ。他の解説書と異なり著者のスタンスは「緩やかな護憲派」しかし、改正憲法もキチンと解説、分析している。判事から弁護士という経歴の著者だが法律用語に不馴れな一般的な読者にも解りやすく解説している。今何が問題なのか良く解らないという方は是非読んで欲しい。2017/11/18
三上 直樹
3
「決め方の経済学」に続いて、そういう権限の源である憲法についての論考。「ヤバい」という題名とは違って、至って真面目に現行憲法を読み解き、その課題に対して自民党改正草案がどれほど役に立たないどころか国民に害をなすものであるかを明らかにしています。私も、人としてではなく個人として生きていきたいと思います。2017/11/01