内容説明
仕事で大きな失敗をし、故郷の岐阜に戻ってきた元印刷会社勤務の青年・光。就職活動をしながら、兄の営む喫茶店で時間を潰す毎日だ。ある日、光は妻の誕生日に自費出版の詩集をもう一度贈りたいという男性客と出会う。思い出の詩集を復活させるため、光は倒産した印刷所を訪れ、一文字一文字を手作業で拾う、昔ながらの活版印刷を始めるが――。和菓子屋を救う伝統技法を使った手紙、世界に一冊だけの写真集。光の作る印刷物が、人の心を繋ぐ三つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
304
大好きな某シリーズと同テーマかと期待しながらも裏切られること承知で手に取る。良かった!印刷所を辞め自分の未来に光を見出だせず苦悩の主人公。兄が営むカフェに入り浸る。長く付き添う妻への悔悟に悩む男、父親との確執と後悔を挽回せんと悩む男、何としても自分の写真集を完成させようと悩む女···、主人公自身が悩んでいるのに何故か舞い来る他人の悩み。想いに触れ、何とか力になろうと印刷所経験を駆使し奔走する。心のありよう次第で周りの見え方が変わってくる!他人の役に立とうと懸命になることは、きっと自分を救う鍵となる‼️🙇2020/07/26
mariya926
126
ある失敗が原因で会社を辞めて、それでも印刷が好きで、印刷する事を通して立ち直っていく成長物語。もう少し印刷の部分を書かれていたら物語に厚みが出ていた気がします。その部分サラッとしているので、毎回ギリギリの状態をバタバタしている感じがしました。妻の写真集を探しているおじいさん。潰れそうな和菓子屋さんのチラシ。親友との写真集を作る茜さん。と楽しく読み進められました。2022/10/16
mocha
65
印刷という仕事を通して人と人が繋がってゆく。3篇中2篇が活版印刷をモチーフとしているので、どうしても「三日月堂」と較べてしまう。あの細やかさやアート性がここには感じられず、もうひとつな印象。2022/06/25
吊り太郎
47
初読みの作家さんで、読書メーターで見つけ書店にて即買い→いつものパターンです(笑)詩集、手紙、写真集と様々な印刷物を仕上げるにつれ、やはり印刷という仕事が好きなのだと自覚し、以前勤めていた会社での出来事が、章を重ねる事に解消?というか前向きになり、また印刷所で働く決意を固める!雨あがりの意味合いは、涙を意味しているのか?傷ついた心が、雨が降り精神的に解放されて晴らして行くのか?色々な意味で捉える事が出来る作品でした!2017/07/25
よっち
46
仕事で大きな失敗をして逃げるように故郷の岐阜に戻ってきた元印刷会社勤務の青年・光。就職活動をしながら兄の営む喫茶店で時間を潰す毎日だった彼が、印刷絡みの話に再び関わるようになってゆく物語。妻の誕生日にもう一度贈りたい自費出版の詩集、和菓子屋を救う伝統技法を使った手紙、世界に一冊だけの写真集。依頼された人の様々な思いを汲み、昔ながらの活版印刷などを使ったり、知人の印刷屋やデザイナーの力も借りて印刷物を作ってゆくうちに、少しずつ大切だった思いを取り戻し、見える世界もまた変わってゆく展開はなかなか良かったです。2017/12/09
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