内容説明
歯痛は人類の歴史とともにあった。呪術で治した古代から、中世床屋外科の荒療治を経て入れ歯、ブリッジ、麻酔が登場し、治療は近代化されていく。歯の守護聖人、ジョゼフィーヌ妃、ワシントン、ディズニーも登場して歯のエピソード満載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
80
読み終わって今の時代に生まれてつくづくよかったと思った。古代から中世ヨーロッパ、アメリカ開拓時代から20世紀前半頃までの歯痛に関して治療、施術、麻酔他といった視点から書かれている。経験した人なら歯の痛みはどうにもならない。もうどうなってもいいからなんとかしてくれと思う。その痛みはずっと大昔からあった。ただその治し方は身震いするようなものばかり・・・瀉血、麻酔無しで引っこ抜く、ヒルによる吸い出し、歯のまわりの歯肉をすっかりとる、穴のあいたところへ様々なものの充填。その充填されるものも驚愕のものばかり・・・2017/07/07
hnzwd
20
誰もがお世話になったことがある歯医者とその治療の歴史をまとめた一冊。医学もそうですがトライ&エラーの積み重ねで築き上げられている学問は技術革新でガラッと対応が変わるのが面白い。旅回りの詐欺師がサクラを使って抜歯ショーを行ってたって話は良い。騙されたサクラじゃない患者の呻き声を歓声で誤魔化したとか、抜いた後、状態が良くならずに文句をつけようとする頃にはもう居なくなってるあたりも完璧。2024/02/09
くさてる
19
痛い痛い痛い。読んでると、自分の歯までなんだかむずむずしてくるような、歯痛の歴史です。昔から人類は歯痛に悩み、様々な治療法に挑んできたということが良く分かります。その多くは現代から見れば「無理」な不潔さや乱暴さに彩られているのですが、現代の治療もまた未来から見ればそうなんだろうな……。そして歯医者の歴史が詐欺師の歴史とすれすれというか交差しているのも興味深かった。エピソードが多く読みやすかったです。2021/05/09
itokake
14
人類史を歯痛から外観する。瀉血というエセ医療が2200年も続いたように、人類は長い間迷信の中にいたことが歯の歴史からもわかる。プリニウスが書いたような民間療法(殺された男性の歯で患部をひっかく)が効かないなら、抜歯するしかなかった。歯痛から解放されるために、さらなる痛みに耐える。中世は巡回歯抜き屋が抜歯ショーを展開。抜歯の悲鳴は観衆の歓声がかきけした…。18世紀、笑気ガスで麻酔が始まり、ようやく痛みから解放される糸口が見えた。だが安全に誰もが歯科医療を受けられるようになったのはつい最近。2024/04/02
CCC
12
昔に生まれてみたいという気持ちなど、一息でふっ飛ばしそうな一冊。鎮痛に阿片やアルコールを使うのはまだやさしい方で、ヒルを使ったり、瀉血したり、あとなぜかヒ素を使いたがるのが多かった気がする。半分くらい殺しにかかってきてる。入れ歯の話も多かった。近代以降の欧米に話が偏っているのは残念だが、仕方がないか。2017/06/25
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