内容説明
アメリカ人は、人と人はわかりあえないことを知っていた。だから自由や民主主義の理念が大事だった。しかし、その前提すら共有されなくなったので、アメリカはかつてない精神的荒廃にある──最近の事件や映画を軸に、グローバリズム以後の超大国の行方を読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
36
「タイタニック」(1997)から「ワンダーウーマン」(2017)まで。ハリウッド映画を通してアメリカのこの20年間を読み解く。「正義」が大好きなアメリカ人はどう変貌したのか? こじつけっぽくもありますが映画好きならすごく楽しめるアメリカ論。わかりやすい毒抜きの町山さんって感じ。特に第4章「ポストダークナイトシンドローム」が良かった! あと第6章「ミレニアル世代はアメリカを変えていく」も。日本に比べてこの世代の人口がすごく多いアメリカ。政治にも影響を与えるって、団塊老人がわんさかいる日本とは随分違うのなー。2017/11/02
踊る猫
27
アメリカが同時多発テロからトランプ大統領誕生までをどのように受容したか。様々な映画を参照することに依って読み解かれる。勉強量には感心させられるしアメリカ在住の氏故のジャーナリストとしての生々しい筆致も読みどころと言えば読みどころなのだけれど、何処か「端折り過ぎ」な感を抱かなくもない。新書に纏めるには濃過ぎる内容をざっくり整理したら身も蓋もなくなってしまったという残念さ。とは言え映画が現実をどう反映しているかを考察した本としてはなかなか。氏の本格的な映画レヴューを読みたくなった。町山智浩氏とも話は合うのかも2018/02/26
skunk_c
21
1998年以降現在までのハリウッド映画を通じて、アメリカの世相の変化を読み解こうとする試みは、あまり映画を見ないものにとっても刺激的だった。映画評は俳優の演技や脚本、そして光の加減まで及んでいて、かなり丁寧。副題にあるほど現実の事件は話題にしておらず、大きな流れの変化を捉えながら映画を位置づけていく。アメリカに暮らしている著者だけあって、特にミレニアルと呼ばれる20~30代のアメリカ人をよく観察し、その柔軟性や可能性を伝えている。彼らがアメリカ社会の中核を担う時代はどんな世の中になるか、興味深い。2017/10/20
ロマンチッカーnao
19
アメリカをハリウッド映画を中心に読み解いていく本です。なかなか面白かったです。しかし、ダークナイトの3部作に関しての評論は最高に面白かったです。ダークナイト3部作見直さないとと見た事ある人なら確実にそうなるはずです。しかし、アメリカと日本の映画に関する態度はかなり違いますね。2017/09/03
sasha
8
アメリカ政治、特に民主党と共和党の違いを理解していないと少々難しいかも。映画を通してアメリカ社会の変遷を考えるのがテーマなんだが、言われれば「あ、そうかも」程度だった。だって、映画を観る時にそんな小難しいことを考えながら見てないんだもの。「こじつけだろう」と感じる部分もあるが、全体的には概ね面白かった。本書を読んでから取り上げられている映画を観ると、印象が変わるかもしれない。2018/02/06
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