内容説明
日本の近代を切り開いてきた先人たちの教養の根幹には、中国古典があった。
近年、日本人からその伝統的な素養が失われたことは、社会が液状化現象を呈し、説得力のないリーダーが幅をきかせることの、一因となってはいないだろうか。
本書では、めぼしい中国古典を網羅し、そのエッセンスに触れながら先賢の知恵に学ぶことを意図している。
その内容は古びていないどころか、現代人にこそ必要な叡智がぎっしりと詰まっている。ぜひ、本書を通して、中国古典の魅力の一端に触れてみてほしい。
【著者紹介】
守屋洋(もりや・ひろし)
著述業(中国文学者)。
昭和7年、宮城県生まれ。
東京都立大学中国文学科修士課程修了。
著訳書に『中国古典の名文集』『「老子」の人間学』『菜根譚の人間学』『六韜・三略の兵法』(いずれもプレジデント社)など多数。
※本書は電子書籍化にあたって『完本 中国古典の人間学』を分冊化したものです。
各巻の構成は以下の通りです。
第1巻:『左伝』『戦国策』『史記』『三国志』『十八史略』の歴史書。
第2巻:『孫子』『呉子』『六韜・三略』『諸葛亮集』『三十六計』の兵法書。
第3巻:『論語』『孟子』『荀子』『近思録』『伝習録』の儒学関連の書。
第4巻:『老子』『荘子』『管子』『韓非子』の諸子百家の書。
第5巻:その他の著名な古典として『顔氏家訓』『貞観政要』『宋名臣言行録』『為政三部書』『菜根譚』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
17
私は完本になる前の12編の時に、この本の原本を愛読した。1988年には、新潮文庫に入れられた。「孫子」「老子」「荘子」「韓非子」……「論語」などである。今は、24編になって、完本となっている。中国古典の全体像を把握するには、この本は最適である。説明も分かり易い。谷沢永一は、中国古典で2つ選ぶとすると「論語」と「孫子」であるという。「論語」は、孔子の言行録である。また、「孫子」は兵法軍事に焦点を絞り、エキス化したものである。守屋洋は、私の若い頃に中国古典を分かり易い日本語に翻訳して沢山の出版をした人である。
おせきはん
12
バランス感覚や中庸さ、寛容さの大切さ、相手を追い詰めない、成功の報酬は人に譲る、相手に与えた利益の見返りを求めないなど、人間関係を高めるための教訓に富む中国古典のエッセンスがまとめられていて、味わい深い内容でした。2019/08/26
Roy
6
中国古典のエッセンスがコンパクトにまとめられている。内容は高校時代に読んだ知的生き方文庫の各書に乗っていたものとさほど変わらないが、中には普段あまり目にしない文献からの抜粋もあり。一冊流し読みするにはちょうど良い。歳月を経てまた古典を読むと味わいも変わってくる。折を見て読み返したい。2020/08/21
hiyu
5
結構な量ではある。だが、中国古典のエッセンスを分かりやすく示されているので読みやすい。荘子についつい興味を惹かれてしまった。2024/06/21
みこ
1
中国古典のあらゆる引用を用いてどのように生きるべきかを問う一冊 中国の思想はとにかく組織論と人間論に特化しているので、現代にも通ずる考えや姿勢には多くの考えるべきことが含まれていると感じた しかし、自分に都合よく歴史上の人物の言葉を適用するのは単なる自己肯定にすぎないので、共感する言葉を持って自分の立場を正当化するのではなく、自分の視野を広げる程度に留めるように注意したい2022/08/08
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