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内容説明
富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
69
先日読んだ「日本の医療マンガ50年史」で紹介されていた漫画。コロナ以前の2017年に連載されていたパンデミックもの。タイトルの「リウー」は、カミュ「ペスト」に登場する医師の名だが、ペストが襲いかかる街で医師たちが立ち向かう。無茶苦茶緊迫感があって、先を読みたくなる。ディテールもしっかりしている。2021/11/17
ケンイチミズバ
63
映画だと、軍が暴走し汚染地域を空爆して焼き払おうとしたり、感染を水際で防ぐというのが、海岸で移民を機銃掃射することだったりってよくあります。旧日本軍はハルビンで人間の肝臓を使ってペスト菌を培養強化し蚤に宿して化学兵器として開発していました。外地から戻る自衛隊員の防疫は徹底していてこの物語のようなことは起こらないでしょうが、漫画的に想像を膨らませるとなくもない世界かな。病院の医師が主人公の女医さん以外に出てこない不自然さがあり、意見が対立するキャラとして院長先生が配置されてるのはテレビドラマっぽいです。2017/07/27
トラシショウ。
40
読み友さんの感想から。美しい水と空気に囲まれた、人口八万人ほどの富士の麓にある市町村合併で生まれた横走市。過去の案件から事なかれ主義な院長の下、歯を食いしばって正論を突き付ける事をやめずに生きる内科医・涼穂の前に担ぎ込まれてきた若い自衛隊員の男を診たのが最初の始まりだった。どこにでもありそうな平凡な街を襲う病原菌による大規模アウトブレイクを描くパニックサスペンスもの。画力は必要充分な程度だけど、あえて平穏な日々を描かず事件第一日目から描くスピーディな展開が高いリーダビリティを呼ぶ快作(以下コメ欄に余談)。2019/04/16
ハイポ
35
■1巻~3巻。ペストが流行し閉鎖されたとある日本の街で、主人公の医師が奮闘する。■最終話の野球の場面。病院で働いていたカルロスの野球チームは、1ー11の大差で4回コールド負けを喫する。原神先生はペスト収束の目処がたったときに「嵐の中で小屋くらいは建てたさ すぐ吹き飛んだかもしれないけどね」と言う。大敗することが分かっていながら辛うじて1点をとることしかできない。■原神先生はペストで亡くなる。亡くなる前に、信頼する玉木先生にカッコつけたメモを記した本を託すことができたのは負け試合の中の1点となっただろうか。2023/01/04
にゃむこ@読メ13年生
28
第一刷発行は2017年。これは未来の予言書ですかな?ってくらい、コロナ禍の今読むとやたらとリアル。題材はもちろんコロナウィルスとは違うが、市中にじわじわ広がる感染患者、混乱する最前線の医療現場など、真に迫るものがあり、鳥肌モノ。2021/01/30