内容説明
会話で気持ちを伝えられない、思うように行動できず叱られる。本当は感覚のまま、自由でいたいだけなのに――。
息苦しさを感じながらも、自分の感性に耳をすませ、言葉を綴ることで自閉の世界の豊かさを伝える著者。
18歳で始めたブログを元に自らの体験や心情の変化を記した本書には、当事者や家族へのメッセージが込められている。
「あるがままを受け入れるのは、ひとりひとりの心です」ロングセラーの単行本を増補して文庫化!
(目次)
第一章 自閉症という僕の個性
◇話したいのに話せない
◇制御不能な身体
◇記憶とこだわりと気持ちの折り合い
第二章 振り返って思うこと
◇学び
◇幼稚園・学校
◇家族
第三章 生きやすくなるために
◇わかってほしい
◇支援
第四章 「自閉症だから」じゃない
◇心地いい時間
◇独自の世界観
◇毎日をやり過ごす
短いお話・詩
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
94
心の中って、みんな一緒。人が心底求めていることって、きっとみんな一緒で。大人の鎧や見栄や世間体や思い込みや偏見や…すべて取っ払えたら、みんな、愛し愛されて自分も人も自由に幸せに支え合って生きたい、そういうことなのだなぁ。「小さい頃に幸せなら、今辛くても人を信じられるようになります」「誰でもこの世界の主人公は自分だと思えるような人生を送りたいのではないでしょうか」「プレゼントは誰のための物なのでしょう」「“空気を読めない人になりたくない”ではなく、“カバーできる人になりたい”と言えるのが暮らしやすい世の中」2018/05/27
扉のこちら側
66
2018年254冊め。2016年のカドフェスでも著者の作品がリストアップされていた。すでに大きな注目を浴びている著者ではあるが、こういった内容の本をイベント本として取り上げるところに出版社の意欲、社会的意義を感じる。自閉症関連の仕事が最近増えているので今後も注目していきたい著者である。2018/07/03
ann
63
奇跡の人そのもの。文は人を表すが、彼の文はさわやかに、ズキンとする。2018/02/25
たるき( ´ ▽ ` )ノ
39
そうなのか。そういうことなのか。どれだけ決めつけてしまっていただろう。著者に感謝したい。この本に出逢えて本当に良かった。2022/10/31
きょーこ
29
会話でのコミュニケーションが出来ない著者のエッセイ。自閉症スペクトラムと言われる次男の事を考えるために読み始めたんだけど、自分の事をストレートに考える時間になった。一緒にいること、相手への思い、伝わるようにひとうひとつ。こどもの前でなかないでください。告知のこと。18歳の時のエッセイ。見えないことの大切さを改めて教えてくれる。2018/01/14