内容説明
寺社仏閣を焼き払った第六天魔王、織田信長は、なぜキリスト教に寛容だったのか。その理由はクリスチャンになろうとしたのではなく、自らがキリストになろうとしていたのだ。信長の真意を知った武将たちは野望を阻むため、ついには本能寺の変を引き起こした。
感想・レビュー
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東大教授だった考古学の斎藤忠先生ではなく、埼玉県在住の在野の研究家の斎藤忠氏の2015年の著作。 論拠を証明するための物証や文献が圧倒的に少なかった前作『裏天皇の謎と阿部晴明』と違い、今作では『イエズス会日本年報』と、『フロイス日本史』から、イエズス会宣教師の書いた文章をしっかりと引用しています。ただ、ちょっと堅すぎて、歴史研究書という感じです。 定説を疑問視する著者の姿勢には好感が持てます。ただ、もう一歩踏み込んで、陰謀論的な大胆な仮説が提唱されたら、『ムー』的な面白さが生まれたかと思います。2023/06/18