内容説明
小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句。「新東京感傷散歩」でデビューして以来60年以上の文業において、作家は一途に「東京」を歩き、書いてきた。焼跡の鮮明な記憶、銀座に暮らした幼少期の思い出、佐多稲子や辻征夫の作品と人生、「千人斬」松の門三艸子……闊達なユーモアと確かな観察眼で、町とそこに生きる人々を描きだす。『東京骨灰紀行』著者の集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Inzaghico (Etsuko Oshita)
4
どの文章も、詩人ならではなのか、柔らかくて、敬体常体交ぜ書きでにこやかに読み進めるのだが、ときに鋭い視点が入り込む。読者にも質問を投げかけてくることがあって、思わず本に向かって返事をしなければならないような気になるのが不思議な魅力だ。2019/04/06
Nobfunky
1
著者の本は初めて読んだ。70年にわたる著作の集大成だ。全体としては軽妙洒脱な文体だが、戦後の描写が生々しい。死体の山、満席の映画館。特殊慰安施設協会。パンパン。当時の市井の様子が分かって興味深かった。2017/05/04
あぎる
0
流し読み。東京東側の話が多かった。西側しかわからないので、ちと残念。でも知らない土地を知れたのは良かった。2017/09/14