内容説明
私の誕生日の前日、おじいちゃんは危篤に陥った。肌身離さず持っていた写真は、私の生まれた日に撮影された心霊写真めいたものだった。しかも「五色の雨の降る朝に」という謎の書き込みが。かわいがられた記憶はないけれど、写真に込められたおじいちゃんの想いを知りたくて、雨の日にしか登校していない雨月先輩に相談を持ちかける。これは私が雨を好きになるまでの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
59
人それぞれの歴史を抱えて生きることは、たとえ高校生といえどもプレッシャーには違いない。不思議で奇妙な雨月先輩と五雨とのハートウォーミングな出会いの物語。もちろんミステリとしても最高だ。連作として書かれているが、全体で一編だと考える方がいい。よく考えられ構成された謎が一気に解かれるのは、まさにミステリの醍醐味。雨にこだわった物語全体の意図には、本当参りました。2017/07/13
佐島楓
58
雨の日にしか登校しない先輩と、雨女の少女。先輩の正体は? 少々ほろ苦い、雨にまつわる謎解き。こじつけのように見えて納得できる推理に、ドキドキした。2017/07/04
はな
40
図書館本。雨女だけれど、雨が嫌いな主人公と雨の日しか学校にいない先輩との謎解きもの。雨といってもたくさんの表現があってそれを披露する先輩の知識の多さにすごいなと感心。この2人につながりはなさそうでつながりがあるストーリーにも感心しました。2017/09/10
よっち
36
危篤に陥ったおじいちゃんが肌身離さず持っていた写真の謎。雨女の五雨がその謎を解くために、雨の日にだけ登校する不思議な雨月先輩に相談を持ちかける雨の物語。おじいちゃんの写真や七夕の催涙雨といった雨に関する謎を、どこか複雑な気持ちで雨月先輩の下に持ち込む五雨。雨に関する無駄に詳しい知識を活かして優しい解決に導いてゆく雨月先輩の謎は深まるばかりで、五雨がその謎を追うことでたどり着いた真相は切なくもありましたが、それでも相変わらずなように見えて何かが変わったようにも思える二人の今後をまた読んでみたいと思いました。2017/07/01
しゅてふぁん
34
雨を愛しカタツムリに憧れる(?)雨月先輩と雨の特異日に生まれた最強雨女の五雨の雨にまつわる謎解きの物語。雨をあらわす言葉がたくさんあることは知っていたけれどよく耳にするもの以外はあまり気にしていなかったので、雨月先輩の蘊蓄で俄然興味が湧いて来た!私も雨が好きだし、ちょっと調べてみよう。外は雨、読みながら雨音を聞いたり、窓の外を眺めてみたり。うん、この本は雨に日に読んで正解だった。梅雨入りまでひと月足らず、雨に濡れた紫陽花にカタツムリが映える季節がやって来る。2018/05/13
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