内容説明
法神流は江戸後期、上州(群馬県)赤城山で楳本法神(うめもとほうしん)が創始した実戦的剣法。門下3千人といわれ隆盛を誇ったが、その剣名を江戸にまで轟かせたのは、2代目・須田房之助である。房之助は少年時代から、近在では太刀打ちできる相手がいないほどの暴れん坊だったが、楳本法神が放浪から戻ってくると、完膚なきまで打ちのめされる。降参し、教えを乞う房之助だったが、その修行たるや言語に絶する激しいものだった。やがて「赤城の天狗」と異名をとるほどの無敵の剣士となった房之助は、前橋に道場を構え、つづいて江戸へ進出する。しかし最強を誇り、道場が急速に門弟を増やし始めると、他流から執拗かつ卑劣な陰謀を仕掛けられる。剣で勝ち目のない彼らは、鉄砲で暗殺してまで房之助を亡きものにしようとするのだが……。百年後の昭和4年の天覧試合で流派出身の剣士が優勝。現代にまでその名を響かせた法神流の、最強剣士の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
1
「ありゃ、お天狗さまの化身にちげえねえ。房吉も法神先生の弟子だから、とうとうお天狗さまになったんだんべえ」……法神流剣術の二代目、須田房之助(房吉)の伝記。法神流なんて初耳で、幕末の三大流派以外にこんな実戦的剣法があったことに驚く。読み処は著者の他の剣豪物と同じく、剣術研鑽の日々。若者が悩みながら成長する様をジジイ目線で愛おしく眺めるのが無上の快楽だ。しかし、後半は残念な状態に。決闘の辺りから納得しがたい展開になり、消化不良で幕を閉じる。これなら二代目じゃなく、始祖の楳本法神の方が主役に相応しいような…。2017/10/21
どらんかー
0
その剣技、法心流2014/04/03
ちか
0
ところどころ話がややこしくなったが、法神流という実戦剣法がとても魅力的だった。2013/03/23