内容説明
コニャック・ミステリ大賞受賞!インテリ警部マルタン・セルヴァズの事件ファイル第1弾。フランス国内シリーズ累計90万部突破!
DNAの持ち主は悪名高きサディストの殺人鬼ハルトマン。だが彼は人里離れた研究所に隔離されており、犯行は不可能なはずだった。そんななか裸で吊された男の惨殺体が渓流沿いで見つかり、現場からはまたもハルトマンの痕跡が! セルヴァズらは捜査を進めるうち15年前に起きたある忌まわしい事件と山間の町に眠る暗い秘密に辿り着くが、新たな犠牲者と共に予想を裏切る容疑者が浮上し……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
313
レクター博士もどきや、異常な死体の装飾、あけすけにいってしまえば、クリムゾンリバーmeets羊たちの沈黙という、分かりやすい元ネタありきの事件で、しかも残念なことに、最終的にかなり地味な真相に落ち着いた。もう地味すぎて、ハルトマンを巻き込んだりなんだりが、小説としての体裁を保つためだけのものにしか思えない。このシリーズがフランスでヒットしたのは、事件内容が国民性にマッチしたとかもあるかもしれないが、主要メンバーの造形や関係性が大きいのではないか。たしかに今まで見たことないくらいアッチ方面が気になる。2019/05/04
ケイ
139
ハルトマン関連のことをのぞけば、面白いのだ。どんでん返しというより、意外な方向に転じていくさまを楽しめる。しかし、なんと言ってもの一番は、おフランス的恋愛事情。セルヴァスが何年も性的に砂漠の生活を送っているからと言って、ここまで次々に女性そういう目で見るだろうか。すぐに目で姦淫している警部なんて、困ったもの。ただ、エスペランデュー、いいぞ。これぞフランス男。クールだ。そして、ホームレス殺人はどうなったのだろう…。2018/03/28
ナミのママ
82
豪雪の季節、ゴンドラに吊るされた馬の死体から始まり次々に起こる殺人事件。満身創痍となりながら事件を追うセルヴァズ警部。不死身すぎじゃないかと思いつつ割り切ろう。それにしても10代の娘マルゴの奔放さ、周囲にもマイノリティが身近にありすぎ。2011年に書かれた作品だがフランスはその頃からこんなだったのかとビックリ、そこが一番、衝撃かつ面白かったかな。フランスミステリはあまり得意でないがこちらは追いかけていきたいシリーズだ。 【コニャック・ミステリ大賞】受賞2025/02/21
のぶ
72
下巻に入り、上巻で揃った役者と、得体の知れなかった施設を中心に物語が動き出した。全体を覆う重苦しい空気と凍てつくような世界は変わらないが、状況説明が中心だった上巻から、セルヴァズはじめ捜査陣の捜査に重点を置いた描写に移り動きが出てきた。決して明るい情景ではないが、セルヴァズ他登場人物の造形が秀でているせいか、ページをめくる手が止まらない。今まで読んできたフランス産のミステリーにしては異色だったが、大変に面白い作品だった。2017/03/05
巨峰
50
一気読みしました。捜査陣の個性も面白かったし、次回以降の展開も期待通り。ただ、2回のどんでん返しって必須なのかなあと感じました。シンプルに、だけど、深みのあるミステリーが好きなので。2024/02/23
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