内容説明
わたしはやってない! 裁判で無実をひたすら訴える容疑者。検察側、弁護側ともに決定的な証拠を欠き、勝敗は五分と五分。住宅差し押さえ代行に絡む莫大な金をめぐり人間たちの欲も蠢く。裁判妨害、血痕、身長差……。刻々と変わる法廷劇の結末は? 名手コナリーの技に脱帽。圧巻のリーガル・サスペンス!
目次
第三部 ボレロ(27~38)
第四部 五番目の証人(39~52)
第五部 無実の仮説(53~54)
訳者あとがき
マイクル・コナリー著作リスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
135
やはりアメリカの裁判制度というものに対しての感じ方が違うのでどうぢてこのようなことまで説明していくのかという疑問が時たま生じます。それにしてもどうしてこのようなことまで、という場面がありますが最後にきっちりと決着に持って行ってくれるのですね。それにしても今回は最後にまたおちが、ということでいつも楽しませてくれます。2016/08/28
ケイ
129
コナリーに外れなし。なんでそんな仕事しているのよ…と苛立ちながら成り行きを見守っていたが、なるほどそこに通じるのですね。なんという前置きの長さだこと。読メ登録前からも入れて、コナリー作品はすべて読んでいるのだけど、ここらで最初から読み直しをしてみようかな。ボッシュの新作が出る前に。2016/07/05
ケイ
120
こんな展開許せない、と思わせておいて、「いや、おれはそんなことはしないよ」と言わんばかりに、手の平を返すコナリーのトリック。特にリンカーン弁護士は、一矢報いずにはおられない人だからね。とは言え、リサのように人を操れる人間に、少しなってみたい気がする。今回はボッシュの登場が数行だったのは残念だった。 2018/05/27
エピファネイア
93
やっぱりM.コナリーはいいな。絶対外さない。お正月と夏休みにはコナリーを読むと決めているのだけれど、待ちきれずに今回は少しフライングして読み始めたら夏休みの初日で上下巻読了。人を裁く神聖なる裁判の場がゲームのように描かれるのは違和感があるが、フィクションと割り切ってこのリーダビリティを楽しみたい。誰も勝者のいない苦い結末だったが、最終的には悪人が鉄槌を下されて安心した。ハラーが地区検事長に立候補したことで今後このシリーズはどうなるのか。マギーとの関係も含めて次にハラーに会えるのが待ち遠しい。次はボッシュ。2022/08/11
タツ フカガワ
88
検察側が提示した証拠は被告人リサの有罪を決定付けるような物証。対してハラーは、リサが罠にはめられたことを立証しようと試みる。まるで法廷がリングと化して12人の観客ならぬ陪審員を前にボクシングの攻防を見るような検察官側と弁護側の激しい応酬が圧巻。結審後のあの一幕もいい演出で、いやあ面白かった。2025/11/18




