内容説明
7人の「小児がん卒業生」たちの、命の輝き。小児がんは、それを克服した子どもたちからも「普通の生」を奪ってゆく。体に残った障害や社会の偏見に耐えて生きる7家族。歯が生えない、身長が伸びない、心臓や臓器の働きがよくないといった「晩期障害」。さらに、子どもたちは二次がんの可能性も持っている。不安に耐え、今を生きる、「小児がん卒業生」たちの姿を見守り続けている小児科医が綴る、渾身のノンフィクション。
目次
はじめに
プロローグ 凜君の幼稚園
第一章 絵里ちゃん 生存率10%からの生還
第二章 翔太君 難しい手術を乗り越えて
第三章 裕也君 がんとともに生きる
第四章 淳一君 告知への道のり
第五章 祐佳ちゃん 二つ目の壁
第六章 円香ちゃん 恋人ができた
エピローグ 終わりなき旅
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
47
小児がんを克服した7人の子どもたちの物語。この本で紹介されている子供たちは、いずれも非常に困難な状況に陥り死の淵からギリギリ生還した子供たちで、その過酷な治療の様子は壮絶だ。ご両親の苦悩や葛藤も十分すぎるほど伝わってきて、読んでいて辛い。だが、作者の松永医師の治療は温かく頼もしい。少しずつ元気になっていく子供たちの姿に胸が熱くなる。読後感は爽やかだ。ただ、子供たちはこれからも「晩期障害」と闘わなければならない…。2023/09/04
uniemo
9
実家から送ってもらった本。小児がんになり厳しい治療の結果がんは抑えることができたのに放射線治療等により晩期障害がおきてしまったり再発の不安を持つ子供たちの記録。とても重い症例で子供をもつ立場としては中々つらい話でした。ただ筆者や子供達や保護者の方々がとても未来志向で前向きなので救われます。また筆者がとても患者さんに寄り添えるお医者さんで素晴らしかった。2020/05/08
クミコ・ロッテンマイア
1
とにかくすごい。誰もが一度は眼を通してほしいノンフィクション。2009/10/30
yaupin
0
去年読んでたのね・・・。全く忘れてました?いい話なのに・・・?2012/06/28
ひらめ筋
0
こういう本を読むと色々考えさせられるなあ。松永先生と家族のやりとりにジーンとくる。医療系学生として、患者さんだけじゃなくて家族へのフォローの姿勢を見習いたいと思う。2011/12/18