内容説明
「白髪というものは、時によって白く見えたり黒く見えたりするものですね」―知りもしない唄をゆるゆると、うろ声を長く引いて唄うような気分。索漠と紙一重の恍惚感…。老鏡へ向かう男の奇妙に明るい日常に、なだれこむ過去、死者の声。生と死が、正気と狂気が、夢とうつつが、そして滑稽と凄惨とが背中合せのまま、日々に楽天。したたかな、その生態の記録。毎日芸術賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葛西狂蔵
5
今現在、個人的に古井由吉の近作を読む程贅沢な読書はない、と思う。半ばエッセイ風の脱小説的な世界は、誰にも似ていないし、立ち並ぶ者もない。著者自身が話者とおぼしき日常の些事を材に取りながら、日本語による独自の【意識の流れ】とでも云う物を作り上げている。近代小説の構造から逸脱しながら反小説的構造が小説として構築される様は深い愉悦を読者に与える。2015/08/07
アンコ椿
1
辛抱して最後まで読んだけど、正直よくわからなかった。日々楽天でありたし…2013/07/31
ステビア
1
何なんですかねえコレは…(驚愕)2013/03/12
測深器
0
数十年後に物凄い気持ちで読み返しているかもしれない、と思う2013/06/17
HiRaNo
0
ブッ浮く2013/05/12