岩波文庫<br> 中原中也詩集

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岩波文庫
中原中也詩集

  • 著者名:大岡昇平
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2017/06発売)
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  • ISBN:9784003109717

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内容説明

中原を理解することは私を理解することだ,と編者はいう.こうして飽くなき詩人への追求が三十余年にわたって続く.ここにその成果を総決算すべく,中也自選の『山羊の歌』『在りし日の歌』の全篇と,未刊詩篇から六十余篇を選んで一書を編集した.読者はさまざまな詩に出会い,その底にある生の悲しみに心うたれるに違いない.

目次

目  次

 山 羊 の 歌

 初期詩篇
   春の日の夕暮
   月
   サーカス
   春の夜
   朝の歌
   臨 終
   都会の夏の夜
   秋の一日
   黄 昏
   深夜の思ひ
   冬の雨の夜
   帰 郷
   凄じき黄昏
   逝く夏の歌
   悲しき朝
   夏の日の歌
   夕 照
   港市の秋
   ためいき
   春の思ひ出
   秋の夜空
   宿 酔

 少年時
   少年時
   盲目の秋
   わが喫煙
   妹 よ
   寒い夜の自我像
   木 蔭
   失せし希望
   夏
   心 象

 みちこ
   みちこ
   汚れつちまつた悲しみに
   無 題
   更くる夜
   つみびとの歌

 秋
   秋
   修羅街輓歌
   雪の宵
   生ひ立ちの歌
   時こそ今は

 羊の歌
   羊の歌
   憔 悴
   いのちの声

 在りし日の歌

 在りし日の歌
   含 羞
   むなしさ
   夜更の雨
   早春の風
   月
   青い瞳
   三歳の記憶
   六月の雨
   雨の日
   春
   春の日の歌
   夏の夜
   幼獣の歌
   この小児
   冬の日の記憶
   秋の日
   冷たい夜
   冬の明け方
   老いたる者をして
   湖 上
   冬の夜
   秋の消息
   骨
   秋日狂乱
   朝鮮女
   夏の夜に覚めてみた夢
   春と赤ン坊
   雲 雀
   初夏の夜
   北の海
   頑是ない歌
   閑 寂
   お道化うた
   思ひ出
   残 暑
   除夜の鐘
   雪の賦
   わが半生
   独身者
   春宵感懐
   曇 天
   蜻蛉に寄す

 永訣の秋
   ゆきてかへらぬ
   一つのメルヘン
   幻 影
   あばずれ女の亭主が歌つた
   言葉なき歌
   月夜の浜辺
   また来ん春
   月の光 その一
   月の光 その二
   村の時計
   或る男の肖像
   冬の長門峡
   米 子
   正 午
   春日狂想
   蛙 声
   後 記

 末 黒 野

 温泉集

 未 刊 詩 篇

 初期短歌

 未刊詩篇
   古代土器の印象
   冬と孤独と
   秋の愁嘆
   地極の天使
   屠殺所
   聖浄白眼
   幼なかりし日
   間奏曲
   寒い夜の自我像(2・3)
   冷酷の歌
   夏は青い空に
   暗い天候(二・三)
   いちじくの葉(いちじくの、葉が夕空にくろぐろと)
    (そのうすいくちびると)
   夜空と酒場
   風 雨
    (吹く風を心の友と)
   疲れやつれた美しい顔
   死別の翌日
    (南無 ダダ)
   修羅街挽歌 其の二
   早春散歩
   蝉
   夏(なんの楽しみもないのみならず)
   童 謡
   いちじくの葉(夏の午前よ、いちじくの葉よ)
   或る夜の幻想(1・3)
   狂気の手紙
   咏嘆調
   昏 睡
   秋岸清涼居士
   別 離
   誘蛾燈詠歌
    (なんにも書かなかつたら)
   坊 や
   僕が知る
   月夜とポプラ
   落 日
   吾子よ吾子
   はるかぜ
   桑名の駅
   竜 巻
   山上のひととき
   詩人は辛い
   砂 漠
   漂々と口笛吹いて
   材 木
   一夜分の歴史
   夢
   少女と雨
   夏の夜の博覧会はかなしからずや
   聞こえぬ悲鳴
   ひからびた心
   雨の朝
   子守唄よ
   溪 流
   梅雨と弟
   道化の臨終
   夏(僕は、卓子の上に)
   初夏の夜に
   夏日静閑
   編  注
   解  説…………(大岡昇平)
   年  譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

120
三大詩人ということで、立原道造を読んでいるつながりで、中原中也の詩集も読んでみました、というよりか再読です。私にはやはりなじみがあまりなく名前だけが先行している気がするのです(ファンの方からはお叱りを受けそうですが)。太宰治と同じです。いくら読んでも自分の中に印象というものが残りません。残っているのは「汚れちまった悲しみに…」くらいでしょうか?「除夜の鐘」も印象には残りました。2017/12/10

lily

115
恋愛詩なぞ愚劣なものだと思っていたけれども、いまでは恋愛を夢みるほかに能がないと認めるほどに力みがなくなり、星空の煌めきに感動する心の余裕と潤いと麗しさよ、和だな。愛を知らない詩人の言霊なんて空でしかないもの。2020/11/22

優希

112
中也の詩は美しい。素直にそう思いました。仄暗さや哀しみ、鬱屈さの中にある一筋の光が輝いています。痛みも伴いますが、心打たれる詩ばかりでした。儚い言葉の数々に魅せられます。折々読んで、この世界観に浸りたいものです。2016/08/20

優希

53
中也の詩が好きだと改めて思いました。繊細な哀しみと心象のスケッチを昇華し、詩に落としていく。だから刺さるような美しさがあるのですね。2023/03/26

さっとる◎

45
死んでしまいたい。そう思った時に大好きなあなたはすっかり生きることも死ぬことも済ませた後だったので、私は亡骸の余生を送るほかなくなったのでした。生き方と死に方を教わって尚、どちらも満足にできた試しがありません。伝えたいことなど失せて、無。なのに古くて暗い気体が永久凍土のようだから、ことばを吐き出し続けている。今日の日の魂に合う、何を私は探しているのでしたか。なぁ中也、あれでもこれでもないんだ。錆びた心だけがずっと冬の寒さに縮こまって紫色。せめて、死の時に一点、それだけ感ずること叶えば文句はないのです。LR2020/12/31

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