内容説明
ラブラドールレトリバーのセラピー犬・りっぴさんがグループホームにやってきてから天国へ旅立つまでの4012日間を描いた物語。入居者にやさしく寄り添い、その心を癒やしたり、ときにはお茶目な一面を見せて場を和ませたりと、りっぴさんの“働き”は、入居者はもちろん、スタッフたちの心も動かしていく。年をとり、体が自由に動かなくなってからも、入居者やスタッフのために懸命に働こうとするりっぴさん。最後まで命を燃やし続けたりっぴさんは、その一生を通じてどんなメッセージを伝えたかったのか。涙溢れる感動の実話。歩んできた人生も、価値観もまったく違う、決して交わることのなかった人々。一匹の犬との触れ合いの中で、互いに認め合い、それぞれの人生と向きあっていく。セラピー犬、りっぴさんが一生をかけて伝えたかったメッセージの意味を知ったとき、誰もがきっとやさしくなれる―。人と犬の切なくも温かい、涙溢れる感動の実話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
41
3歳のメスのラブラドールレトリーバーが認知症グループホームに来てから、16歳で天寿をまっとうするまでが描かれていました。リッピさんをわざと車椅子で轢く認知症のおじいさん。結局最期まで脚が少し不自由になったのに、そんな乱暴をしたおじいさんにも優しかったリッピさん。入所者さんだけではなく、辛く厳しい職場のスタッフさんまでも癒してくれていました。特に一人で夜勤をしていたホナミさんにとっては心強かったでしょう。私もお世話になるならば、こうしたワンちゃん猫ちゃんのいるところで最期を迎えたいです。2022/06/28
minaseh
12
犬ってすごいなぁ。無条件で人に寄り添ってくれるんだなぁ。純粋な愛情を向けられて、人も優しさと穏やかさを取り戻すんだなぁ。いつも先に逝ってしまう人たちに寄り添って、りっぴさんは寂しくなかっただろうか。りっぴさんがそんな時でも寂しくならないように、ホームのスタッフさんや入居者さんも心を配っていてくれたのだろうか。天国でまた皆で楽しくしてると良いな。2022/06/18
まちゃ
5
犬の包容力の大きさを改めて感じました。 何故そこまで人間に愛情を持ってくれるのか、観音様の化身ではないかと思えるほどです。写真のりっぴさんの優しい顔を見ていると涙がこぼれます。 人間に寄り添ってくれてありがとう。2017/06/14
とちぼん
4
昔飼っていたゴールデンの優しい目や大きな身体や、別れの辛さを思い出して泣けて来た。人が大好きで番犬になんてなれそうにもなくて、きっとりっぴさんもそんなだったんだろうな。 りっぴさん、お疲れ様でした。きっと幸せな一生だったね。天国でも大好きなくてみんなと楽しく暮らしてください。2017/07/08