内容説明
人工知能(AI)は言うほどまだまだすごくない。シンギュラリティは来ない。人類がAIに支配されるとのたまう悲観論者を信じるな! 空前のAIブームに潜む「大うそ」を、フランス人哲学者が宗教論的アプローチを駆使してラディカルかつロジカルに暴き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
178
面白いし現状が正しく書かれている。シンギュラリティなんてウソでしたというまっとうな本。情報系じゃない人が読むべき本かもしれない。absintheの今の職場は実際に人工知能であるが、うなづけることばかり。著者はAIの第一人者で実績もある人だ。でも、本書のメッセージは万人向けなので、理系の人が読むと何をいまさらという話題も少なくない。中国語の部屋とか、ムーアの法則、真実と誤謬の話。情報系のひとなら半分ぐらい読み飛ばしても内容全部わかる。2017/12/12
starbro
147
今年に入って読んでいるAI本第三弾です。難しい事は中々理解出来ませんが、本書で著者は、「AIが人間の知能を追い越す」というシンギュラリティ(技術的特異点)という概念を批判しています。多少AIの技術が進歩しても、私が生きている間は、人類を超えないのではないかと考えています。2017/11/16
ぐうぐう
31
ブームには大抵落とし穴があるし、誰かしらの思惑が存在する。本書を読んで、そのことを改めて痛感した。最近頓に騒がれている、AIのシンギュラリティ(技術的特異点)仮説について、著者は徹底的に否定する。その仮説に技術的根拠がなく、証明するものが何もない、つまりは宗教のようなものだと。専門知識のない読者にも理解しやすいように、順序立てて丁寧に、しかし力強く論破していく展開は、読んでいて心地良さすら覚える。中でも、シンギュラリティ仮説とグノーシス主義との共通点を指摘している部分は、膝を打つとともに痛快だ。(つづく)2017/07/28
tetsu
19
★3 「AI技術自体を否定しているのではなく、本来のAI技術がシンギュラリティという怪しげな神話によって変質してしまう事を批判した」あとがきの解説より。 科学的な内容と思って手にしたが、ヨーロッパの宗教観や哲学の歴史を背景にシンギュラリティを否定する内容。2019/06/23
Francis
17
今流行のシンギュラリティ論のインチキぶりを暴き、そしてなぜグーグルなどのIT企業がそのような怪しい話を広めているかを考察する。IT企業がIT技術を用いて社会を支配しようとしており、それを正当化するためにシンギュラリティ論を広めているのではないか、とするかなり大胆な説は陰謀論めいてはいるが、考察に値する話かもしれない。シンギュラリティ論がグノーシス主義や終末論と似ているという指摘もその通りと思える。人工知能について正しく知ろうとする人にとって参考となる本。2017/07/29
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