内容説明
「一つの中国」原則はいかに形成されたのか?朝鮮戦争停戦から文革前夜へと至る時期に、アメリカ、ソ連、フランス、アジア・アフリカ諸国などとの交渉を通じてなされた台湾問題をめぐる中国外交の選択を、「一つの中国」原則の起源という視点から論じる。中国と台湾の史料を中心とするマルチ・アーカイブを駆使して、「台湾解放」から「一つの中国」へと移行する毛沢東外交のプラグマティックな側面を浮き彫りにした、注目の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
18
この本であまり触れられていないのが国共内戦の経緯である。つまり、蒋介石が台湾に逃げ込まざるを得なくなり、たとえ彼らが「民主勢力」と言いがたい面が多々あったとしても、毛沢東よりははるかに民主的だっただろうにアメリカは一時期見捨てようとしていた。朝鮮戦争の勃発で事態が劇的に変わった、ということに初めて気づかされた。蒋介石がムダに「大陸反抗」を唱え続けたため、北京政府が統治をしたこともない台湾が、「中国の一部」という奇妙な論理が生き残ってしまった経緯がよくわかる。中ソ対立の理由とも関連していて刺激的である。2021/06/16
ゆきんこ
0
まとめ書き(サボり)2022/08/26