内容説明
社会システム理論によって、現代社会のリアリティはどのように捉えられるか?その知見を踏まえ、私たちはどのような未来をつくることができるのか?気鋭の社会学者・井庭崇が、宮台真司、熊坂賢次、公文俊平という当代きっての論客を迎え、徹底討論。それぞれの対談の中で、各人が影響を受けたニクラス・ルーマン、タルコット・パーソンズや複雑系などを取り上げ、イラストも用いつつ、分かりやすく解説している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たばかる
15
若干知識的に不足気味だったルーマンの社会システム論に対する基礎的理解を確認できた。ほかの方の言う通り、入門として良書。2021/09/28
masabi
8
社会システム理論を基に三者との会談に望む。理論への入門があり分かりやすかったがやはり ルーマンの著作をあたり理解を深める必要がある。システムを基に会談しているのに、その切り口は三者三様でとてもおもしろかった。2014/08/24
タナカ・D
5
図書館本。複雑な社会を理解するためにモデル化して考えてみる手法。複雑な世の中をシンプルに捉えるために学問があると考えていた私にとって、とてもフィットした。経営学のフレームを嘲笑っていた大学教授は、フレームなんて実務で使わないと言っていたけど、フレームがないと捉えられないこともある。(フレームにおさまらずに見過ごすこともある) 社会システム学んだからって何なん?的な意見に対して、モデル化して考えてみると楽しいんだと言えるようになりたい。役に立つか否かの議論は学問のためにならぬ。2021/09/22
takizawa
4
井庭先生がSFCで行った対談の記録。四人の社会学者が,なぜ社会システム理論に興味を持ったかという根本的な問題関心を語っており,社会システム理論の入門書として最適。宮台×井庭対談目当てで読んだが熊坂×井庭対談,公文×井庭対談も楽しめた。情報化の進むなかで研究方法や研究対象がどんどん洗練されていくのに圧倒されるなー。2012/01/14
LM
3
【通読】井庭崇が、宮台真司・熊坂賢次・公文俊平の三人と対談をして行われた講義の記録。宮台はルーマンの社会システム理論をヒューリスティックとして捉えており、彼によれば後期ルーマンから得られる発見は乏しい。熊坂も、井庭が論じた創造システム理論のメタフレームに対して「だから何だ?」とあえて挑発的に返したあとで、ルーマンの社会システム理論の凄味は彼の理論そのものではなく、理論に基づいて社会現象を解釈しているところにあると述べる。2021/05/05