内容説明
日本仏教史の中で異彩を放つ親鸞の思想は「悪を犯したほうが救われる」と受け取られたりするなど誤解されることが多い。本書は『教行信証』をはじめ、仏教の教えをやさしい言葉で伝える「三帖和讃」、門徒への手紙などから、親鸞が本当に主張したかったことを探り、人生には人間の意志を超えた力が働いているという他力思想を明らかにする。人間の本性を見つめ続け、750回忌を迎えた非僧非俗の親鸞の言葉は、今なお新しい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
宗教的な滋味づけなしに救われぬ現実 人生における道徳では説明不能な不条理 縁による全ての決定 出会いという絶対の事実 信じて行動せねば進めぬ人生 まことの心への絶え間ない追求 罪の業縁に及ばぬ人間の能力 内部に実のなき者ほど外面飾る傾向 不真実な自己への気づき 生死両方への意味付け 困難な達成への価値見出し 善行への不純な動機混入 死を迎えるまで続く人間の欲深さ 煩悩から生じる自己滅亡の錆 愛憎の裏に溢れる無知 拠り所があってこその勇気 人間の思いを超えた人生展開 真実なき現世利益を求めぬ姿勢2025/05/01