新潮文庫<br> 悪党芭蕉

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新潮文庫
悪党芭蕉

  • 著者名:嵐山光三郎【著】
  • 価格 ¥671(本体¥610)
  • 新潮社(2017/05発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101419091

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内容説明

ならず者と遊び人が集った蕉門、美男弟子との衆道関係、あの句にこめられた危険な秘密……いつしか神格化され「求道の人」のアイドルとなった松尾芭蕉。しかしその素顔は、芥川龍之介に「日本の生んだ三百年前の大山師」と言わしめるほど、凄腕の不良(ワル)だった! 「俳聖」を敢えて俗人と同じレベルで再考し、犯罪すれすれのところに成立した俳諧の真の凄味に迫る、画期的芭蕉論!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

63
芭蕉を主人公とした時代小説と思って読み始めたが、芭蕉は生涯かけてどのような句作を心がけていたのかとか、何を目指していたのかとかいう専門的な話だった。かなりつっこんだところまで書いてあるが、嵐山光三郎はやっぱり芭蕉研究の専門家ではないから、芭蕉が衆道だったとかいう方面のことにはすごく力が入っているのだが、「実際のところはどうなのかなあ」と思う部分も多く、芭蕉の知られざる意外な一面に触れるつもりで読むぐらいでちょうどいいのだろうと思う。俳人たちが集まって付け句をしていく歌仙の解釈は、なかなか面白かった。2017/07/23

そうたそ

39
★★★☆☆ 芥川に「日本の生んだ三百年前の大山師」と言わしめるほどの凄腕のワルであった松尾芭蕉。今となっては、「俳聖」と崇められるほどの聖人と化してしまった松尾芭蕉を、敢えて俗人として扱い考察し直すことで、新たな芭蕉像と、その俳諧の魅力を改めて考える芭蕉論。タイトルに「悪党」とあるものの、決して芭蕉をこき下ろすような内容ではなく、むしろ「芭蕉紀行」という紀行文をも刊行している著者だからこそ書ける、芭蕉への愛の詰まった作品だった。こうして人間味溢れた俳人として捉え直すと芭蕉の俳諧も身近に思えるから不思議。2015/10/26

メタボン

37
☆☆☆☆ 極めて濃密な芭蕉伝だった。弟子との関わり方にスポットライトを当てており、弟子にも非常に興味を持った。奥の細道を共にした曽良についての描写は淡白だったのは何か意図するものがあるのか。歌仙の各句の解釈が鮮やかで面白かった。泉鏡花賞に推した選考委員の方々に拍手。2019/11/11

ロビン

15
表題のけれん味と表紙の絵のゆるさに反して、非常によく資料にあたって調べてあり、自身作句もする嵐山さんの読み解き能力も相まって非常に濃密な本であった。「この一冊を書き終えて、正直言ってへとへとに疲れた」とあるが、さもあらんと思う。芥川と子規がそれぞれ芭蕉を批判したことへの言及から始まり、当時の歴史的文化的状況、衆道やパトロンを含めた多くの弟子たちとの複雑な関係性や芭蕉と門下の連歌の腕前を検証したりしながら、芭蕉の死までを描いてある。芭蕉は西行たらんとしたようだが、ちょっと利休に近いものを感じた。面白かった。2024/09/30

tsukasa

7
小説だと思って手に取ったけど、小説じゃなかった!芭蕉=俳聖・旅好きな世捨て人、という漠然としたイメージしかなかったけど、悩みの多い人間くささがあったんだなぁ。俳諧の鑑賞の仕方もなんとなくわかった気がする。芭蕉だけじゃなく個性豊かな蕉門の俳諧に触れたくなりました。2013/06/08

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