内容説明
『野ざらし紀行』『冬の日』『笈の小文』『奥の細道』はもちろん、従来の案内書にはない『かしま紀行』『更科紀行』ゆかりのスポットも完全網羅。中学三年で芭蕉の言霊にふれ、自らも「旅を栖」とする著者が、足と目と感性で俳聖の全足跡を辿る。研究者のあいだではタブー視されている、蕉翁の衆道にも踏み込んだ稀有な書。沿道の美味な食べ物も紹介。著者手描きの絵地図入り。『芭蕉の誘惑』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスターテリ―(飛雲)
39
奥の細道を題材にした作品は、数多く書かれているし、自分自身も奥の細道しかよく知らなかったが、作者は芭蕉の生い立ちから追いかけ「野ざらし紀行」「更科紀行」などから、順番にその行程を辿ることで、奥の細道へたどり着く。さすが芭蕉研究家としては有名な作者、人物像、俳句の分析、弟子との関係など奥深く切り込んでいて(特に俳句の解釈には納得)知らないことばかりですごく勉強になった。もっと深く読み込まなければ理解できないところもあり、また近いうちに再読したい。2023/01/02
saga
33
以前はよくTVでお目にかかった著者が、これほど芭蕉を語ることができるとはお見逸れした次第。男色をたしなんでいたとする説明も、かの時代であればあり得ることだ。自分も『奥の細道』を読み、自動車での移動ではあったが、細道を旅したことがある。しかし、和歌や中国古典の知識もなく、芭蕉の本当の凄さも知らずに、何とも表面的な旅だったか……読了して、芭蕉を追う旅に出たくなった。2019/01/26
瀧ながれ
26
某文庫で「おくのほそ道」を読みながら、どうにも注釈が腑に落ちないので、著者の話を聞きに(読みに)きた。芭蕉の足跡を自身で訪ねて当時の空気を探しながら、芭蕉の句や言葉を読みとく一冊。芭蕉のカリスマ性や健脚ぶりが実感できて、ものすごいイケメンでBLな芭蕉像を思い描いてしまう(が、当時のイケメンてどんな顔だー?とちょっと混乱)。「おくのほそ道」は、本文が少なくて油断するとサラッと読み終わってしまうけど、もちろんそんな平坦な道じゃないのだな。でも嵐山氏が見る芭蕉翁は、楽しそうに歩いていて、ワクワクする。2018/05/08
i-miya
26
2010.05.25 H12.03 P364 (あとがき) 深川芭蕉庵。 どこでもファンに出会う。白河の関。山中温泉。100人かかってもかなわない文人、芭蕉。その芭蕉も力技なら、読者も力がある。旅先の俳枕。(文庫用あとがき) JTB紀行大賞。杉風(さんぷう)のご子孫からの手紙。行く春や 鳥啼き魚の 目に泪。の魚は杉風、魚屋。古池やの句。池には人間の死骸も浮いていた(田中優子)。混沌の池。(解説)田中優子。◎死にもせぬ 旅ねの果てよ。2010/05/28
ロビン
17
中三の頃芭蕉の旅路を辿って旅行して以来、長い人生を芭蕉と共に生きてきた嵐山さんが、芭蕉の故郷伊賀上野から、『野ざらし紀行』『笈の小文』『更科紀行』そして『奥の細道』等の旅をいわば聖地巡礼した記録である本書は、嵐山さんの芭蕉に懸ける思い、敬意、謎を解きたいという執念に満ちていて読んでいて襟を正させられる。芭蕉の重要な文章は暗記しているというし、句もすらすら出てきそう。該博な知識を基にした分析も緻密で唸らされるばかり。真の芭蕉ファンとはこういう人を言うのであろう。内容が『悪党芭蕉』と被る所もあるが面白かった。2024/10/08
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