内容説明
「ほぼ一気読みの吸引力。文芸ミステリーの時代が開花しつつある」――島田荘司/島田荘司選・第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。日本とポーランドで起きた2つの殺人事件。72年前のナチスの闇が、今、甦る。ポーランド人強制収容所囚人の日記に隠された意外な真実とは!? 正義の在り方と家族愛を問う、社会派ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
39
第二次世界大戦中のポーランドの強制収容所での出来事と現代日本での殺人事件がリンクする。島田荘司氏の選評にあるように”文学ミステリー”という言葉がぴったりな力作。最後の方に長い手紙が出てくるが、こうした一人語り形式があまり好きじゃないので、そこが個人的にマイナスポイント。 緻密に練られていて独特の世界観があった。2017/11/29
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
34
島田荘司選「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞作。 いかにも島田先生好みなミステリー。 金髪の野獣・ハイドリヒの暗殺場面から始まり、現代の日本とポーランドで起きた殺人事件、ポーランドから来た女子留学生アンカと日本人夫婦の交流…と続きます。 ポーランドの強制収容所にいたというアンカの祖父の日記に圧倒されますが、この辺りは歴史小説みたい。 でも、そこから時空を越えて現れてくる真相に引き込まれて一気読みでした。 面白かったのですが、とても重いものを含んでいるので色々と考えさせられます☆ 2017/06/30
ren5000
26
ばらのまち福山ミステリー賞はあまり外れがなく結構読んでるけどなんかベテランさんが書いたような印象でうまくまとまってるけど、ちょっと面白味に欠けるかなぁ。そのせいなのか読むのに時間がかかってしまった。文章は読みやすいので次作に期待です。2017/07/23
ぽけっとももんが
10
1942年プラハから舞台は現代の日本やクラクフでの殺人、第二次大戦中の強制収容所の秘められた手記、謎のポーランド女性アンカと彼女をあたたかく見守る吉村夫妻。重いテーマながら次々と重なる謎と展開に引き込まれる。後半、手紙でじゃんじゃん謎が解明されるのはちょっと残念。吉村氏、英語が堪能だからってあれだけのポーランド語を訳すのは相当時間かかるんじゃないのとか、アンカもあんな長い日本語の手紙を読んだり書いたりすごすぎませんかとか、まぁいろいろあるけれどもね。2018/02/04
rosetta
10
★★★★☆薔薇の街福山文学賞。戦争中のボーランドの強制収容所と現在の日本での殺人事件がどう関わってくるのか?殺人の動機としては納得できない部分もあるが、なかなか力業で読ませる。新人離れした力作。この人の次回作も楽しみになる。2017/07/07
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