文春新書<br> 「公益」資本主義

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文春新書
「公益」資本主義

  • 著者名:原丈人
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2017/05発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784166611041

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内容説明

四半期決算を廃止せよ! 長期保有株主を優遇せよ! 日本が新しい経済ルールをつくる!

日本が率先して「21世紀の新しい資本主義=公益資本主義」を世界に示すべきだ――確信をもってこう断言するのは、「理論や理想ばかりを説く経済学者」でも、「資本主義に反対する社会主義者」でも、「海外を知らない国粋主義者」でもありません。最も競争の激しいビジネスの本場、米国シリコンバレーで、数々の成功を収めてきた「最強のベンチャー事業投資家」です。

著者の原丈人さんは、考古学研究の資金稼ぎのため米国のビジネススクールに通い、さらに先端工学も学んで起業。大成を収めました。その資金をもとに新技術を創出する数々の企業の起業・経営に参画し、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストとして活躍しました。
そんな経験から、米国流ビジネスの限界と問題点を身をもって知っているのです。

株主優先、四半期決算、時価会計、社外取締役制度など、「会社は株主のもの」とみなす「米国流の株主資本主義」の導入が「改革」と称されていますが、むしろ弊害を生んでいます。「会社は株主のもの」という考えでは、投資や経営が、短期利益重視となり、新技術開発にまわすべき中長期資金や、真にリスクをとる投資が不足してしまいます。

税制や金融のルールを改めることで、マネーゲームに回っている資金を中長期投資へと導くことこそ、「公益資本主義」が目指す「成長戦略」です。中長期経営を重視する日本型経営こそ、「公益資本主義」の雛形。米国を反面教師にし、今こそ日本が新しい資本主義のルールを示すべきなのです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

98
会社は社会の公器との信念を連ねたもの。経済学者ではなくベンチャーキャピタリストである。理想主義者のように理想は高いが活動的でリアリストでもある。机にかじりついて理想だけ言う学者先生と違い、この提案は手の届くところで実現できるかもしれない。株は5年持たなければ発言権を持てないとか、株の保有年数ごとに税金を変え、短期売買であるほど税金を高くし、長期保有の株主からは税金を取らないというのも面白い。確かに最後の瞬間にやってきて実った利益だけ持ち去ろうとするハゲタカファンドに規制は必要。2025/03/08

mazda

73
「会社は株主のもの」という錦の御旗の元、従業員を減らし利益を上げて株主還元するというのは、会社があることの意義が根本が間違っているような気がします。JR東海の葛西社長が海外向けのリニア説明会を開いたところ、車両交換の頻度が高すぎるという指摘を受けたので、安全のために仕方ないと回答したそうです。それに対して、要約すると「安全対策はそこそこに、地域社会の貢献などいらないから、株主価値を最大化するように働け」と言われたそうです。それに反論したら社長退陣を要求されたそうですが、嫌なら株を持たなければいいだけです。2024/09/14

ごへいもち

30
株主第一の弊害。こんなにまともなことを長年言っておられるのに世の中聞く耳を持たない人が多いんだろうな2019/03/10

ジュール

19
著者はすごい経歴の人で、政府の専門家会議のメンバーでもある。でも肝心の公益資本主義がどうしたら実現できるか?はかなり不確か。またその理想とするところが少し前の日本式経営では世界の競争に勝てるのか? 80年代のGreed is Goodはさすがにないと思うが、公益のためにどこまで会社が動くのか? それと環境への提言が弱い。 書評は良かったのだが失望。2020/09/09

清水勇

11
著者は72才。自分がやりたい考古学に必要な金を稼ぐ目的でアメリカに渡り、アメリカンドリームを実現したのにそれに満足せず、この30年間で日本企業が没落した大きな原因である株主資本主義の問題点と皆が幸せになる処方箋(公益資本主義への変換)を世界中に伝道している。著者の言う株主資本主義の問題点は「短期利益」重視、「中長期投資」軽視で、株主だけが潤い、会社は資金無く開発もできず従業員の賃金も下がる。著者は「三方よし」に代表される日本の社中(株主、従業員、取引先、顧客、地域社会)を大事にする文化を構築を目指す。 2025/01/09

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