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内容説明
経済とは、釣り師とカモの永遠の闘いである!
ノーベル賞受賞経済学者コンビによる、『アニマル・スピリット』の続編。
アダム・スミス「見えざる手」への盲目的な信仰を壊すパワフルな一冊。
賢明で誠実なあの人が、なぜたやすくだまされるのか?
なぜ、不道徳なふるまいをしてしまうのか?
自由市場はすばらしいという「虚構」を明らかにする事例の数々。
すべてのビジネスパーソンに読んで欲しい、本当はこんなに恐い自由市場の話。
●本書の主な主張
・経済システムはごまかしだらけで、みんなもそれを理解するべきだ
・競争市場は、革新的なビジネスヒーローのやる気を引出し報いるのに長けている
・その一方で、誠実とは言い難い行動を促す圧力も奨励されてしまう
・人々は驚くほどしょっちゅうカモとして釣られている
・カモ釣りは、いたるところに存在している
・私たちの「肩の上のサル」は、私たちに深刻な影響を与える
・悪いのは釣り師ではない。釣られる人々でもない。カモ釣りをうながすシステムだ
・結婚式や住宅購入など、特別な買い物はカモ釣りの絶好の機会だ
・最悪の不景気をいくつも招いた最大の原因は、金融市場でのカモ釣りだ
・健康にとって有害な医薬がいまだに後を絶たない理由もカモ釣りだ
・政治(選挙)は最も単純な釣りを起こしがちだ
・カモ釣りとがんには類似性がある
・経済学者の市場理解には問題がある
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
22
経済学における買い手はいつでも合理的に自分にとって良いものを買うとしている。でも実際の経済はそうではないだろう、昔から詐欺があり、それは買い手ではなく売り手だけが得する。本書はそんな合理性の逸脱について考察した本となる。事例として金融、広告、医薬品やお酒とタバコなどを章に分けて紹介している。ただ、著者たちが自覚し、訳者も指摘している通り理論的に固まっていないし、別段新しい発見でもない。なので今後、現実の取引や市場のモデルを考える時の見落としがちな点を改めて指摘してもらったという一冊かなとも思う。2021/09/04
Francis
15
「アニマル・スピリット」の共著者による著書。行動経済学の「釣り」と呼ばれる行為について考察。クレジットカードは現金よりもついつい消費してしまったり、喫煙、飲酒についての考察などが興味深い。ただ、もう少し掘り下げてほしい感じはあるかな。2019/02/05
CCC
14
訳者あとがきで本書の扱いは決まってしまったような感がある。いや、異論は特にないのだが。あえて付け足すなら、アメリカの例ばかりなのが気になった。2018/07/09
きむロワイヤル
11
「見えざる手」というのは言わずと知れたアダム・スミスの市場経済を表すもので、この「見えざる手」に任せておけば、自由主義経済は万事うまくいくというものだが、はて、必ずしもそうじゃないことは、感覚的にもそう感じる。やはり、カモがいてそれをだまそうとする輩(釣り師)がいるいうのはその通りであろう。エンロンの例を出すまでもなく、それって例外だから見逃しても大丈夫ということじゃなくて、資本主義にはそれも含められているというのを自覚すべきというのが本書の主旨、、、かな? 身も蓋もないと言えばそうなのだが。2021/06/11
jj
11
17年刊。ノーベル経済学賞受賞02年アカロフ、13年シラー共著。自由経済の中には、所謂釣り師もいれば、カモもいる。広告、宣伝活動、マーケティング活動、営業力、フィーリング、好き嫌い、ブランド、扇動etc。合理的に考えて、より優れたものが、その市場を席巻するわけではない。価値のないものに大金を支払ったり、どう考えても劣るサービスや劣る製品と契約したり、本書内の所謂釣りとカモの間に、需給関係が生まれ、淘汰もあるが、それが中心となって市場形成され、そして一般化する。こうした現状を再認識再考させてもらえる内容。2020/03/22