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内容説明
iPhoneに搭載され、国際標準の電子マネーとなったSuica。それは一方で、アップルが金融業界をも牛耳ることを意味している。追い詰められた銀行やクレジット会社の逆襲は? 「決済三国志」を描き出すビジネスドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
39
JR東日本とソニーが開発したSuicaが国際規格となりiPhoneに導入されるまでの内幕。自動改札の保守コストを下げるところからSuicaは着想され、西日本のICOCAやPiTaPaなど他社のICカードと相互利用が可能な交通系ICカードの標準となり、さらなる成長を目指してApple社と提携。Suicaの規格「Felica」は非接触ICTカードの国際規格である「NFC」に認められます。 本書で読んでおきたいのは第1章から第3章まで。第4章以降は業界の動向や著者の願望などで間延びしている感があります。2020/11/13
リキヨシオ
27
カードを当てるだけで改札を通過!当初はミスっていきなり改札が閉まらないか?情報漏洩は大丈夫か?と思ったが慣れてくると便利!01年から使用が開始されたICカード乗車券「Suica」は「検出→認証→読み取り→記録」の情報処理を0.1秒行い、1分間で60人の改札通り抜けが可能。しかも「エキナカ」戦略やアップルペイにも対応して日本を代表するICカードになった。しかし世界的にはまだまだマイナー。アップル、グーグル、VISA…次世代の決済の盟主の座を巡る「決済三国志」はどんな結末を迎えるのか?興味深く見守りたい。2017/09/05
zoe
20
非接触系高速決済システムの肝FeliCa。SONY開発。日本発の交通機関を中心とした決済の根幹。国際規格構築時に主張が足らず、出遅れた様子。携帯電話一つで済む時代。その裏側での競争がざっくり簡潔にわかる。そうは言っても、2017年の本なので、2020五輪が節目になっているし、ニューノーマルな前提もない。以前の議論はこうでしたというリファだと思います。クレジットカード情報の延長気味。サブタイトルからすると個人的には技術や制度情報がもっと欲しい感じ。2021/09/20
hk
20
ごはんを食べながらなにやらモグモグいっているような書籍だ。 その心は「何を云ってるのかわからない」である。 一般人はクレジットカードのからくりからしてよくわかっていない。だが本書においてそれらは予備知識として読者の頭にあるものとして論を進めていく。ここに落とし穴がある。専門家と素人の情報の非対称性はことのほか大きいのだ。だから素人は本書を読んでも偉そーな坊さんが講釈を垂れているようにしか聞こえない。新書とは一般人に対し専門家が噛んで含めるように説明することを旨とする。 そのことを肝に銘じた方がよい。 2018/10/07
よしよしニャンコ
17
SuicaがiPhoneに搭載されるようになったといっても、私個人の生活スタイルや日本社会の現金消費等の潮流が変わったとも思えない。しかし、こうしてSuicaの歴史を冷静に振り返ると、事の意義の重大さに思い当たる。JR東日本の一部門が考案したシステムが、世界中に輸出される可能性が出てきた。また一方でそれは、Appleに認められた故という部分が大きいようだ。今後、日本の主要な企業でさえもAppleやGoogleの傘下に取り入らなければ立ち行かなくなってしまう日が来るのかもしれないと思うと、暗い気分にもなる。2017/06/27