集英社文庫<br> 『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ

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集英社文庫
『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ

  • 著者名:森まゆみ【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 集英社(2017/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087455595

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内容説明

【第24回紫式部文学賞受賞作】「元始女性は太陽であった。」という平塚らいてうの創刊の辞が有名な、女性による女性のための雑誌『青鞜』。その創刊から休刊までを「雑誌編集」という独自の観点から描く。掲載作品から広告、デザインまでを紹介しつつ、雑誌刊行の高揚感や苦労をしのぶ。らいてう、伊藤野枝、尾竹紅吉、保持研ら刊行に携わった女性たちの等身大の姿を浮き彫りにする傑作評伝。

目次

第一章 五人の若い女が集まって雑誌をつくること
第二章 いよいよ船出のとき
第三章 広告から見えてくる地域性
第四章 尾竹紅吉、あるいは後記の読み方
第五章 伊藤野枝の登場
第六章 『青鞜』の巣鴨時代
第七章 保持研の帰郷
第八章 『青鞜』の終焉
あとがき
関連年譜
関連人物の生没年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sashi_mono

15
地域雑誌『谷中・根津・千駄木』の創刊メンバーのひとりだった著者が、「雑誌編集」という切り口をもとに、「青鞜」の誕生秘話から休刊に至るまでの軌跡をふりかえる力作評伝。内容は作品評、広告やデザインなどにもおよび、著者の経験と綿密な調査を活かしたユニークな本に仕上がっている。2020/02/08

ネムル

15
教科書的に神格化された平塚らいてうのイメージが覆されるが、良くも悪くも距離が近づいてしまったような。雑誌の中心人物であるわりに初めは乗り気でなかったようだし、その評論活動の才もいささか怪しいし、他者の評価もぼろくそだし、大逆事件時も自分の内面活動が忙しくほぼ興味なしとのたもうてるし。雑誌そのものもアマチュア創作の寄せ集め感満載だし、内輪話・楽屋ネタに終始する後記が一番面白いようだし……という事情を追いつつも、女性たちの自由意思の変革に影響を与えたことは頷けた。2017/04/09

moyin

8
紅吉の伝記を読む間に、先にこっちを読了。「青鞜」の歴史を追いながら、らいてうや紅吉などの人生を語る一冊。筆者自身も地域雑誌を作った経験を持ったので、その対照などもあって面白かった。2023/05/21

belier

5
『青鞜』の創刊から終焉までをカバー。著者自身が地域雑誌『谷中・根津・千駄木』を出していたということで、その経験談も随時おりまぜ、編集の経験を長年積んだ者として、若い青鞜のメンバーに説教し、苦言を呈するような独特の評伝。青鞜といえば創刊の辞が有名な平塚らいてうなのだが、それ以降インパクトのある仕事を残せず、しかも晩年は自伝で昔の仲間の悪口を言いまくり自分の評価を下げた。それにしても、当時の人たちが自分のも他人のもプライベートを雑誌上で暴露しまくるのはすごい。メンタルも生きる力も猛烈に強かったのだろう。2022/03/10

しんい

5
角田光代さんの「物語の海を泳いで」で紹介されていた作品。ミニコミ誌づくり×100年前の女性運動という観点で読み進めたが、「青鞜」が刊行されていたわずか4年間に、平塚らいてう以外のメンバーは総入れ替えとなったり、「新しい女」へのマスコミや世間からの攻撃、社員の間でのいがみ合い、とっかえひっかえの恋から出産まで、様々なことが起こっている。年下男性との結婚すらタブーに近く、まだ女性の髪型も日本髪で、第一次世界大戦頃は最近のように思えて、20年代に社会はかなり変わったのだと感じた。2021/07/18

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