内容説明
ヒップホップは音楽だ。でも考え方でもある。その考え方は、この人生をどうにか面白く生き抜くために、すげー必要だ。この国では、これまで、ヒップホップは茶化されたり、恐れられたりもしてきた。なんなら、遠巻きから面白半分に眺められてきた。でも、チャラい人のものでも、恐い人のものでも、貧乏な人のものでもない。決して特別なものではない。父親が公務員で、日本中によくあるような郊外に住み、地元の中堅私大に通った普通の俺にだって、というか、日本にローカライズされたヒップホップの思想は、俺が体現している…! と、ヒップホップ夜間中学、永遠の在校生サイプレス上野が綴る、ヒップホップの「学び」がつまった半生記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachi_folk
5
ヒップホップとは無縁で登場人物の9割がた知らない。それでも興味深く読めたのは、よくある“サブカルくそ野郎”“サブカルくそ○ッチ”へ向けたサブカル本ではなく、誰もが持つ「アングラ」の肯定、もしくはそこへ足を踏み入れようとする読者の背中をポンッと押してくれる良質な作りになっているからかも。「空手バカ一代」「プロレススーパースター列伝」に通ずるものがあり、ヒップホップへの愛がこれでもかっ!てぐらいに溢れている。そこが気持ちが良い。それにしてもこんなに本文と脚注を行ったり来たりしながら読んだのは久しぶりだな(笑)2016/12/13
バボイヨシヤ
2
横浜の端っこで育まれたヒップホップストーリー、一気に読んだ。「果たしてヒップホップとは何ぞや?」というお題へのヒントが散りばめられている。乱暴な解釈で言らせてもらえれば、人々の数だけ、その人なりのこだわりのヒップホップ美学を抱えているのではないか。今、この第三次日本語ヒップホップムーヴメントのタイミングで出版されたことに意味深さを感じた。2016/12/01
Ichiro Toda
1
ヒップホップという音楽は,固定概念の塊であると思う.こうでなくてはならないとか,これはヒップホップではないとか,その文化をどれほど楽しんでいようとも,邪魔が入りやすい.それが自由だったはずの音楽を規定してしまっているのだ.この本は,そういった葛藤と戦い,そして若干飲まれながらも,ヒップホップとともに行きていこうという一人のラッパーのバイオグラフィーである.フリースタイルの台頭により,よりスタイル・ウォーズと化したヒップホップだが,その中で自分の立ち位置を探ろうとしているかわかり面白かった.2019/08/11
僕素朴
1
夫の本棚から。面白かった!バトルの勝ち負けの安易なわかりやすさではない高みを目指すことを、肩ひじ張らずに、格好よく、でも格好つけすぎずに教えてくれる。「あんたもボムする?」ってお母さんも格好いい!高校で応援団部長をしたのがMCにつながっている。でも応援部に限らず何でもラッパーは糧にできるんだってド正論。歌の上手い下手を超越する瞬間、数値化しきれない面白味。ラジオとダンジョン出て電車で一杯飲んでから個室ビデオで着エロ見ながらリリック書いてた、そのときの曲はリリースしてないけどって話もいい。知識があったほう→2019/05/27
caniTSUYO
1
サイプレス上野が如何にしてヒップホップ者になり、ヒップホップから/によって学んできたかを記した雑記。まずサ上が育ったドリームという団地-遊園地ドリームランドが併設-の荒廃が団地に住む若者のストリートカルチャーを育むとか面白すぎる!あとサ上の客観的な視点が素晴らしい。 またヒップホップに愛されてないことを自覚しつつも、シーンの浮き沈みを冷静に読んだ上で如何にヒップホップ的(ジャンルに妄信的にならず)に生きていくかを真摯に考えている! 何より楽しむために考え/知識をため/行動し続ける彼の姿勢には禿同過ぎる! 2018/10/28
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