内容説明
インド古典中もっとも有名な本書はヒンドゥー教が世界に誇る珠玉の聖典であり,古来宗派を超えて愛誦されてきた.表題は「神の歌」の意.ひとは社会人たることを放棄することなく現世の義務を果たしつつも窮極の境地に達することが可能である,と説く.サンスクリット原典による読みやすい新訳に懇切な注と解説をくわえた.
目次
目 次
まえがき
凡 例
第 一 章
第 二 章
第 三 章
第 四 章
第 五 章
第 六 章
第 七 章
第 八 章
第 九 章
第 十 章
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章
解 説
参 考 書
訳 注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
68
『マハーバーラタ』の中で、親族間での戦闘に対する疑惑に陥ったアルジュナが質問、バガヴァッド(クリシュナ)が答えるという形式で、王族の最高の生き方を説いている。ヒンドゥー教に基づく考え方だから多分に宗教的なのだが、我執を捨て自己を克服し、願望を捨て去ることで最高の成就に達すると説くなど、宗教を超越した哲学的な内容を含んでいて、その考え方は今なお十分に通じるものだと思う。とにかく、我執、暴力、尊大さ、欲望、怒り、所有を捨てることを何度も強調しているのだが、その考え方は、仏教にも受け継がれているものだと思う。 2017/12/22
姉勤
59
宿命的戦いの前線で、敵方に親族のいるアルジュナは戦意喪失してバガヴァッド(クリシュナ)に戦闘の意味を問う。正しいヨーガ(行動)をもって輪廻から解脱する。しかしそのヨーガは放擲しなくてはならない。まるで柳生石舟斎が剣の修業の果てに極意を「無刀」と悟った様な、荘子の「無用の用」の様な。しかし、生悟りの”何もしない”という選択は、逆方向へまっしぐら。虫ケラどころか石ころレベルのカーストに堕す。なまけものも究めれば道に成りそうだが、小心ゆえ、それも出来ず。来世も苦界を彷徨うだろう。少なくとも人間…猫でもいいか。2015/04/06
にいたけ
45
「行為の放擲」とは結果のために行為をなすべきではないということ。私達は自分にメリットがあるという結果を元に行動しがち、では何を基準にすれば良いか?それが「知識」。人として正しいかを問うことは宇宙意思を問うこと、しかしそれは絶対的であるので無意味。わかるためには執着を捨てること。執着するのはイレモノの身体による。身体の中の我々の意識「我」は世界「梵」と繋がっている。なぜしなければならないか考えるより行動すべき。行動しないというのも行動なんだよね。2023/04/03
新田新一
39
多分インドの古典の中で一番有名な叙事詩。仏典のような教えが書かれているのですが、物語性があり、一種のエピックファンタジーとして読むこともできます。社会から隠遁しないで、社会の中で自分の務めを果たせというのが中心になる教えです。主人公のアルジュナがこの世の醜さと悲惨さをつぶさに述べ、弓と矢を投げ捨てて、戦車の席に座り込んでしまうところが印象的。彼の言葉は現代でも十分通用します。この世がどうしようもない所であるのは間違いありません。それでも生きていかなければなりません。苦しい時悲しい時に支えになる古典です。2025/07/01
荒野の狼
35
インドの叙事詩マハーバーラタの一部です。この部分だけ独立したようになって世界中で読まれています。この本では、前後のストーリーのあらすじが書かれていますが、本編だけでも独立した本として読めます。あらすじの部分に多くの神々の名前が出てきますが、この部分の理解は必ずしも必要ではありません(あらすじの理解にはPeter BrookのThe Mahabharataなどの映画などが助けにはなります)。キリスト教やユダヤ教とはことなる東洋的宗教・哲学観を理解するにはベストな入門書といえます。解説も非常にすぐれています。2007/12/11




