内容説明
生まれ変わるため、「僕」は全身整形手術を受けるアルバイトに応募、瀬戸内海に浮かぶ孤島・O島に向かう。〈鬼〉が出ると噂されるこの島では、天才美容外科医のM博士が研究棟を建てて究極の美を追究しており、そこには二人の美しい女と博士の婚約者・レイコも暮らしていた。「僕」の手術が成功したのも束の間、M博士の部屋から首なし死体が見つかる。博士を殺した〈鬼〉を捕まえるべく、レイコは研究棟を〈密室〉にするが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたる
8
森先生節が炸裂。でも今までの作品ってどれも色が違う。これは黒猫に近いかな?割と驚かされた。もう一度読み直すと印象変わりそうなところがちらほら。ラストのページが印象的だった2017/04/14
なしかれー
6
美の話。M博士の執念というか、想いが強すぎる。達成困難な課題?を前に、迷わず進むことのできる狂気とも言える想いの強さ。課題の善悪はともかく、その想いが人間の美しさ(醜さ)の一端なのだなと思う。共感はまったくできないけど。2018/10/21
barcarola
4
事件の真相は想像がつきやすい。謎よりも、ある種の怖さを楽しむ作品。2022/06/04
はせ
4
なかなか不可解ですな。嫌いじゃないですけど。勝手な男だ・・・2017/04/30
YH
3
ミステリーとして読むと、そもそものトリックもあからさまだし、博士の手術も色々と無理があり過ぎるけれど、ミステリーのフリした美学論だと思うと博士の薀蓄はなかなか興味深い。でも美学に寄らず小さな日常の謎を扱っているくらいの黒猫シリーズとは出来栄えに差があり過ぎ。2017/12/22