内容説明
ホラー映画やアニメの第一線で活躍してきた著者が、小説や映像など様々な形で人を惹きつけ続ける「ホラー」つまり「怖い物語」がどのように作られるかを論じ、技術を伝授する実践的な一冊。
人はなぜ、ホラー映画で怖がろうとするのか。
ホラー映画を数多く執筆した脚本家によって書かれた、恐怖の探求。
ホラー映画を作りたい人、より怖いホラー映画を見たい人に送る本。
Jホラーのイディオロギーとなった「小中理論」を再度論じ、新たに「小中理論2.0」も書き下ろされている。
ホラー映画に留まらず、恐怖について様々なアスペクトから解析を試み、そこにあるシステムを詳らかにしようとする「恐怖のテキスト」。
金子國義画伯の装画を得て、ついに刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
80
恐怖映画のファンダメンタルな理論についての第一部ホラー映画の魅力。2003年岩波書店から出版。第二部はネットの記事を集めた2008年のもの。第三部は2014年本書のための書下ろし。ホラーの脚本を手掛けて来た著者が、ホラーとは段取り、構造であると説くが、観客は慣れがあるため、新たな技法を探し続けねばならない。古典的ファンダメンタル・ホラー映画としてヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」原作のジャック・クレイトン監督「回転」1961、とロバート・ワイズ監督の「たたり」1963、を挙げている。どちらも観てみたい。2021/11/17
ころこ
36
実作者の表現論、経験論であり、自分語りです。著者が誰だか知らなかったので、この自分語りが許容できませんでした。いかに観客を惹きつけるかという差異化の法則は、感情密度を高めるあらゆることに応用できそうです。他方で、抽象的で普遍的な「ひとはなぜホラーを欲望してしまうのか」ということは論じられていません。2019/04/18
三柴ゆよし
15
なんとなくは知ってた「小中理論」について本人が語ってくれる本だが、理論部分はぜんたいの三分の一に満たない分量。ファンダメンタルのタイトル通り、恐怖とはなにか=私たちは何を怖いと思うかを構造的に追求していく書物で、重複箇所や自分語りの多さがいささか鼻につくが、それなりにおもしろかった。古今東西の怖いを求め続けた人が、特におそろしいと感じた小説が岡本綺堂と内田百閒の小説だったというのにはじぶんでもいろいろと思い当たるところがあり、興味深い。2021/04/16
こよみ
7
テイマーズのあの女の子は趣味だったんですね またなにか書いてほしいです2018/03/11
猫子
7
『日本の夏は、やっぱり怪談<其の三・和洋折衷>(8月21日-31日)』 ホラー映画と言えばこの人。デジモンの脚本書いてるけど気にするな!『あなたの知らない世界』で土曜日のお昼まを恐怖のどん底に突き落とした超本人。内容は技術的なお話がおおいです。2014/08/24