内容説明
〔ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〕ハイテクと汚濁の都、千葉シティの空の下、コンピュータ・ネットワークの織りなす電脳空間を飛翔できた頃に思いを馳せ、ケイスは空虚な日々を送っていた。今のケイスはコンピュータ・カウボーイ能力を奪われた飢えた狼。だがその能力再生を代償に、ヤバい仕事の話が舞いこんできた。依頼を受けたケイスは、電脳未来の暗黒面へと引きこまれていくが……華麗かつ電撃的文体を駆使して放つ衝撃のサイバーパンクSF!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
481
サイバーパンクの金字塔と言われ、ヒューゴー賞以下の各賞を総なめにした傑作SFの誉れ高い本書。発表が’84年であることを思えば、作者ギブスンの想像力は時代を大きく先取りするものであっただろう。そうした価値を認めつつ、あえて言う。プロットは単純であるにも関わらず、本書にはある種の難解さが付き纏う。それは基本的には、作家が読者との共感を求めていないからに他ならない。彼が共感を求めるのは人間ではなく、AIにである。また、彼の想像力は小説的なそれではなく、アニメオタクのそれである。すなわち自己完結しているのだ。2015/11/28
そる
295
3週間位かかってやっと読了。意味分からなすぎた。映画の「AKIRA」「攻殻機動隊」「マトリックス」を混ぜた感じ。世界観は好きだが読んでて不明な言葉も多いし登場人物多くて、途中で名前も変わったり、読み手は置いてかれてる。SF好きな人は分かるのかな?サイバースペースとマトリックスの違いは?映像化で補完しないとホントに分からない。「「心は"読む"もんじゃない。いいか、あんたですら活字のパラダイムに毒されてる。読むのがやっとのあんたですら、な。おれは記憶に"出入り"することはできるけど、記憶は心と同じじゃない」」2020/02/22
ケイ
158
「ziggy stardust」「virtualinsanity」「space cowboy」、読んでいる間、絶えずシャッフルする。電脳世界にフレッシュな肉体はなく、傷んだ身体の修繕だけ。生きる目的もないのに、生き延びるための命がけの仕事。その中にあって、ロマンサーは、幻想だとしても、まやかしの夢を見させる。例えオルフェウスになろうとも、身体でなく心を刺す人を見せてくれるとしたら。欲しい人が幻でもリアルなら。拒絶しても憧憬は忘れ得ず、3人の優しいイメージとなって不意に訪れる。2017/04/21
ehirano1
149
AIが人間に突き付けたのは「徹底した現状の維持」で、それは「世界は世界だ」という一言で纏められてしまいました。つまりは、目の前のシステム(≒時代)とどう折り合を付けていくかを考えなければならないので、テクノロジーが空前の進化を果たそうが、武士が刀を振るっていた時代であろうが同じ変わらないということなんだな、と改めて認識しました。2025/08/03
まふ
130
「サイバーバンク」小説の創始者兼最高峰と目される著者の代表作。という触れ込みだが、私には未知の世界であった。近未来の地球、超巨大電子脳ネットワークが地球を覆いつくし、人体と機械が融合し、脳内とコンピューターの情報処理の融合が「過剰に推し進められた社会」となっている。主人公のケイスは脳神経を焼かれたハッカーで、没入(ジャックイン)不能状態のまま用心棒のモリイ(女)とともに活躍をする…。のだが、いったい何がどうなったのかは見当もつかないまま「読了」した。ウーン、これを読んだと言えるか、G467/1000。⇒2024/03/19
-
- 電子書籍
- カメくんとイモリくん 小雨ぼっこ
-
- DVD
- 仮面ライダードライブ VOL.4